一年ももうすぐ終わりですが、この話題に触れずに2012年を締めるわけにもいきませんね。
当然、このニュースには本当に驚きました。
ですが、かつて新三部作(Ⅰ・Ⅱ・Ⅲ)の制作を知った時のような歓喜は、私にはありませんでした。ただ、驚きと共に疑念が広がっただけです。
それには理由があります。
まず、何故6部作で“アナキン・スカイウォーカーの贖罪の物語“として綺麗に纏まっているものに余計な話を付け足そうとするのか。
確かに、自分が小学校6年生の時にテレビ放送(渡辺徹・大場久美子・松崎しげる版ではないですよ)でスターウォーズに一生忘れられない衝撃を受けた頃から、既に「スターウォーズは全9部作で、一作目はエピソードⅣである」という情報は存在していました。
しかし後に創造主であるルーカス自身がその説を否定。事実、その後制作された新三部作によってアナキンがいかにして暗黒面に堕ちたかという事が明らかとなり、全六作で見事にスターウォーズ・サーガは完結したのであります。
そこに新たにエピソードを加えて、果たしてどういう意味があるのでしょうか。恐らく新たに三部作が追加されるのでしょうが、蛇足にしかならないと思います。
仮に小説などのスピンオフ設定を採用するのならば、ルークやハンやレイアが新共和国で帝国の残党や外宇宙からやって来た侵略者達と戦いを繰り広げる、というようなストーリーになると思うのですが、そうなるとキャストの問題も出てきます。マーク・ハミルやハリソン・フォード、キャリー・フィッシャーを起用するつもりなのでしょうか。他の俳優を使うにしても、見た目の一貫性という点で問題が出てきます。
はっきり言って、私は新たにエピソードを作る必要性を感じないのです。
そしてむしろこちらが私の中にあるモヤモヤの大きな原因なのですが、ルーカス本人が監督や脚本、製作総指揮に大きく関わらないものが果たして『スターウォーズ』と定義できるのかどうか。
私は、スターウォーズ・サーガとはジョージ・ルーカスというクリエイターの創り出した一大叙事詩であり、世界的規模の同人映像作品だと思っています。彼がやりたい事を自由にやらせ、常に最終決定権はルーカスにある。つまり『スターウォーズ』はルーカスの所有物である、と考えてきました。
ですから、ソフト化、リマスター再発の度に行われる改訂にも、私は文句を言った事はありません。勿論、作品としてみれば変えなくて良かったポイントのほうが多いのは『ピープルvsジョージ・ルーカス』に出てきたファン達と同意見ですが(例えば、EPⅣのハンに撃ち殺されるグリードのシーンの修正などは完全な改悪だと思う)、これはルーカスの作品であり、制作者が手を加えるのは仕方がない、というのが私の持論です。
自分は大滝詠一という人のファンでもあるので、アーティストが自分の作品を管理し、こちらの思い入れとは離れたところでそれをアップデートしていくのは一つの権利だと考えています。勿論、それに関して賛否両論が伴うのも当然だと思っていますが。
そんなルーカスの手から離れた作品が、果たして『スターウォーズ』と呼べるのかどうか。
例えば、『クローンウォーズ』シリーズは、ルーカスは制作協力だけで監督は務めていません。ですが非常に面白い作品で、私はとても気に入っています。ただそれは、この作品がスピンオフだという前提があるから楽しめているのです。更に実写ではなくCGアニメーションでもある。
サーガのエピソードの中に組み込まれる、正統な続編。それにルーカスが関わる部分が少ないのであれば、自分は非常に抵抗があります。前述した通り、スピンオフ的なストーリーなら恐らく実写作品でも楽しめるはずなのですが、『エピソードⅦ』と銘打っている以上、その線はなさそうです。
私は結構偏屈なスターウォーズ・オタクなので、特にこの部分は譲れないと思うのです。
ルーカスがディズニーにルーカスフィルムを売却したことに関しては、特に思うところはありません。彼はクリエイターとしてではなく、ルーカスフィルムの社長として、社員や今後の作品管理の事を考えて現実的な判断をしたのでしょう。それは理解できます。
でも正直、報道されている「続編」なるものが本当に作られるのか、未だに信じられない気分です。全く現実的にこの話題を捉えられず、性質の悪いジョークだとしか思えません。
ここまで大々的なニュースになっているのですから、制作はされるのでしょうが…上で挙げた腑に落ちない点がクリアにならない限り、新作を諸手を挙げて迎える事は出来ないでしょう。
作品として面白ければ、そんな事は忘れてしまうのかもしれません。ですが自分はそんな先の事までは考えられないので、恐らくは完成した作品を観終えるまでこのようにモヤモヤした気持ちは続くと思います。
『スターウォーズ』の続編。ファンにはあるまじき発言かもしれませんが、少なくとも今の時点では絵空事、他人事だとすら思っています。
『ピープルvsジョージ・ルーカス』に登場したファンを、自分は「頭の固い奴が多いなぁ」などとどこか突き放して観ており、同時に同じファンとしてここまで熱く語れない自分に疎外感も感じていましたが、この頑迷さならば晴れて彼らの仲間入りが出来そうですね。
同意見ですね。私も1~3の制作決定のニュースの時のような高揚感はなく、疑念が広がるばかりでした。
確かに1~9の9部作であることは私も知っていましたが6の終わり方が非常に美しかったので続編は作らなくてもいいのではと思っていました。
ハリソンフォードやマークハミルが出演に意欲!なんてニュースも耳にするので、おそらく制作されるのでしょうが、どうも期待できない。
個人的にはいっそ1以前の方が観てみたいですね。3の印象的なシーン、アナキンに迫るシディアス卿のセリフ「ダース・プレイガス~」の辺りは映像化すればスピンオフとしてはかなり面白そうな作品になるのではと思っています。ダークサイドメインってのもなんとなく面白そう。
わかっていただけて嬉しいです。何故余計なものを付け足そうとするのか、全く理解できないんですよね。
自分も同意見で、過去に遡った話が観たいです。『Old Republic』というゲームでは共和国とシス帝国の争いが描かれていましたが、あれをゲームでなく映像で見たかった…。
皇帝の若き日を辿るのもいいですね。悪がメインの話はスターウォーズとしては相当異色のストーリーになりそうですね。案外そういう方向性の方が受けるかも?