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ローマ人の物語16(パクス・ロマ―ナ 下)へ

2006年12月27日 | お楽しみ
パックス・ロマーナ(ラテン語:Pax Romana)とは、「ローマの平和」を意味し、古代ローマ帝国時代のローマの支配領域内における平和を指す言葉である。通常アウグストゥスが帝政を確立した紀元前27年から五賢帝の統治の時代の終わりである180年までを指す。
(Wikipediaより)

ユリウス・カエサルに後を託されたアウグストゥスは「帝政」の名を口にせず、しかし着実に帝政をローマに浸透させていく。彼の頭にあったのは、広大な版図に平和をもたらすためのリーダーシップの確立だった。市民や元老院からの支持を背景に、アウグストゥスは綱紀粛正や軍事力の再編成などに次次と取り組む。アグリッパ、マエケナスという腹心にも恵まれ、以後約200年もの間続く「パクス・ロマーナ」の枠組みが形作られていくのであった。 (「BOOK」データベースより)

ローマ人の物語15(パクス・ロマ―ナ 中)では、アウグストゥスの治世、紀元前18年から前6年が描かれている。アウグストゥスは元老院に対しては共和制を維持しているが如く見せながら慎重に改革を奨め帝政に導く。その間、ライン川とドナウ川以南の広大な領土を如何に最少の軍団で効率よく安全保障を確保するのか、属国の親ローマ化をどのよう進めたのか。広大な領土から税の徴収を円滑にするためにどのように税制改革を行ったのか、各種の行政官をどのような選挙制度の基で選出したのかなども描かれていて興味が尽きない。この中で税制と選挙制について簡単に触れておこうと思う。

税制では、税率が至ってシンプルであったため、徴収システムも非常にコンパクトな組織で可能だった。直接税では、ローマ市民はゼロ、属州民でも収入の10%。関税は、1.5~5%で保護貿易的要素がなく、それ故に一大経済圏が形成され反英したのだ。しかも通過はローマ通貨に統一されていた。

一方、イタリア本国は11の州に、そして首都ローマは14の区に分けられ、それぞれが一選挙区を形成し、行政官の選出はアメリカ合衆国の大統領選挙と同様であった。ローマ市民は投票権を持つが、各州、各区の票の多かったほうが、その州や区の意向、つまり票になる。この点で見ると、ローマ帝国とアメリカ合衆国は似ているようだ。

しかしながら、統治とは、統治される側の人々までが納得する「何か」を与えない限り、軍事力で押さえつけようが、反対者を抹殺しようが、永続させることは困難である。ユリウス・カイサルが基本構想を示し、アウグストゥスが基礎を築いたローマ帝国は、以後200年間平和を保ち続けるのだ。この点では、ローマ帝国は傲慢なアメリカ合衆国と明らかに異なっている。

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