ISOな日々の合間に

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審査では「・・・ですね」ではなく「・・・ですか」と聴く

2008年10月14日 | 審査・コンサル
ISOマネジメントシステムの審査の基本は、受審組織における仕組みの構築、運用或いは維持の状況を確認し、規格や自らの決め事を守って有効に機能しているかを確認することです。この目的からすると、審査先に対するコンサルは基本的に審査の範疇外であり、禁じられています。

表題に上げた「・・・ですね」の典型例は、審査の場で「・・・すると良いですね」と表現することです。これは明らかに審査顧客に特定の方法を推奨または強要していると受け取られ、コンサルに該当すると判断される表現です。

単に「・・・ですね」という表現も場合によっては、答えを誘導しているか断定していると受け取られる表現です。審査の基本は、相手に質問し、相手から答えを得ることであり、こちらが勝手に答えを押し付けるものであってはいけません。従って、審査では「・・・ですか」と言った質問形で聴くのが基本です。

先日、リーダーとして独り立ち直前の審査員が担当する新規登録審査に指導員として同行しました。審査後の講評では、専門的な指摘はここでは別にして、未だ「・・・ですね」が多く、審査ではもっと「・・・ですか」など質問形にするように指導しました。

彼はカバンからメモを取り出し、「以前も言われて気を付けるようにしているのですが・・・」と言いつつメモを取り出し確認していました。でも、以前に比べれば大分良くなってきていますので、そろそろ独り立ちして審査を担当することになるでしょう。

写真は、またまた図書館で見つけた懐かしの演奏です。ハイフェッツが演奏するベートーヴェンとブラームスのヴァイオリン協奏曲(1955年録音)です。歴史的名演かつ文化遺産とも言うべき1枚です。