ISOな日々の合間に

土曜日は環境保護の最新の行政・業界動向、日曜は最新の技術動向を紹介。注目記事にURLを。審査の思い出、雑感なども掲載。

個人情報は社内でも秘密情報。

2008年08月08日 | 審査・コンサル
審査開始時の冒頭ではオープニングミーティングが実施される。審査側と受審側の挨拶とメンバー紹介があり、続いて審査側から審査に関する概要説明がある。

ISOの審査は仕組みの審査であること、時間が限られているのでサンプリング方式で客観的証拠を収集すること。更に不適合の定義、それへの受審側の対応方法などが説明される。

その一連の説明の中に「守秘義務の説明」もある。
審査で知り得た情報について、審査員及び審査登録機関として、守秘義務がありますので審査で必要な情報を提供するように要請する。

しかし、財務情報や新製品開発などの極秘情報である場合は、「秘密である」と断わっても良い。審査員は必要な情報は別ルートを辿ったり、別の資料から探すことになる。当然、社員の個人情報も極秘情報である。

ところが、今日の9001と14001の同日審査で品質チームに苦情が寄せられた。営業部、業務部或いは総務部などが同居しているフロアーで、ある部署の教育・訓練の記録を確認する際に、審査員が提示を求めた個人の業績評価記録の内容を声を出して読み上げてしまったのです。そのため個人の業績評価内容がまわりの部署の一部の人にも聞こえてしまったのです。

この場面で審査員が確認すべきことは、どのような内容が記録される仕組みなのか、そして決められたとおり記録されてるかを確認すべきところですが、誤って個人情報である記載内容を声に出して読んでしまったのです。

経験豊かな審査員だったので何故そのようになったのか想像できませんが、個人の評価記録を公表してしまったことになります。その内容を聴いてしまった非審査対象部署の人たちから問題だと最初に言われたようです。

当然、当の審査員は審査機関から注意を受け、次回の審査員研修会で検討テーマにのぼり、再発防止や予防策について検討することになるでしょう。