ISOな日々の合間に

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教育訓練にもPDCAあり

2007年02月12日 | 審査・コンサル
冒頭の写真は、今日の日経新聞の記事の一部分です。

不二家ではコスト削減には熱心だが、肝心な教育や研修を重視しない体質が今回の事件の本質だと指摘している。例として、シュークリームなどを作っていた埼玉工場のパート従業員の証言として、「あるはずと思っていた研修がなく、見よう見まねで作っていた」との証言を紹介している。

上の例のように教育訓練をまったくしないと言うのは言語道断であるが、仮に教育訓練を実施したとしても、果たしてそれがどの程度有効だったかと言う視点で評価し、PDCAを回している企業は多くないように思う。

その一つの理由として、ISO14001や9001の教育訓練に関連する規格要求事項ではPDCAの要素が弱いと、審査を通じて実感している。

要求事項を簡単にまとめると、
1. 大切な仕事を任せるには、適切な教育・訓練又は経験に基づいて、任せて大丈夫と判断できる力量を持たせることを求めている。
2. そのために、どのような教育訓練の必要(ニーズ)があるかを明確にする。
3. そのニーズを満たすため教育訓練を実施する。
4. その記録を残せ。

1と2はP(計画)であり、3はD(実施)に相当するが、4の「記録を残す」だけでは、実施結果を評価(C:チェック)し、実施内容を見直し(A:見直し)、次回の更なる向上を目指す計画には繋がりにくい。

このため、規格の要求事項だけを満たせば良いと考え、認証登録時に一度だけ教育訓練を実施したあとは何もしていない企業が多い。「企業は人なり」を標榜している企業の多くでもその傾向が少なくないように思えている。

教育・訓練を実施した後は、質的要素を含め、是非その効果を評価し、それで充分か、更に追加すべきことはないかを見直し、次年度の計画につなげてほしいものです。