conparu blog

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所感『幸福と満足』

2011-10-18 20:49:00 | 日記
N22Wさんの哲学テーマ『命よろこんでいる』の核心は、「幸福」と「満足」の違いについて述べている。つまり、幸福の状態とは常に不変であり、満足の状態とは一過性の常に変わりゆくものと定義している。
今日の私たちの暮らしが、物的に豊かになったのは、先人たちの貧しい質素な生活を経て、豊かさを追い求め努力してきた結果であり、その意味では先人たちの労苦の恩恵を私たちが受けていると云える。

豊かになったのだけれど格差も生じている。生活の水準は向上したが、富めるものは富み、貧しいものは貧しいままの二極化が進んで、不安定な時代を迎えている。グローバル化の波に乗って、負の連鎖は世界的な恐怖となりつつある。

それはさて置き、私たちの生活のレベルを向上させて、満足度を段階的に引き上げてきたということは、それなりに評価できるだろうが、物的満足に比べて心の充足に不満を持つようになってきた。
『追いつき追い越せ』の国是のもと、経済至上主義でまい進してきた結果、一方の心を置いてきぼりにして来てしまったという面もある。

物の豊かさとは外来的なもの、労働、あるいは寄与の対価として生活に潤いを持たせるものであり、ひとたび対価を手にすると、更なる豊かさを求めて次の欲求へと向かい獲得しようとする。
飽くなき欲求は定まるところがない。

幸福と満足の違いはなんだろう。
物的な到達感が満足だとしても、それによって心が平穏に満たされる場合もある。
しかしそれは一時的な満足である限り、恒常的な平穏を得ることができない。
外部から取りいれた満足というものは泡のように儚い存在である。

幸福とはN22Wさんの言葉で、『命よろこんでいる』状態だという。
つまり、外部から取り入れた満足と違って、初めから内在しているもの、無意識下にある心の明かりを灯すことであり、光明の顕在化だと言える。この光明を灯して恒常的な平穏(よろこび)を得るには、物欲的な欲求から離れてこそ導かれるものだろう。
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