月の岩戸

世界はキラキラおもちゃ箱・別館
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カノープス・27

2016-09-15 04:13:36 | 詩集・瑠璃の籠

あまりにも
愚かなことをしてしまった
自分というものから
脱兎のように逃げてしまいたい
そういうものは多いことでしょう

実際人間にとって
最も愚かな過ちは
自分が馬鹿なことをしてしまったという
真実を認めることができなかった
そういうことです

自分が馬鹿なものになるのは
いやだった
自分が馬鹿なことをした
そんなことを知るのはいやだった
だから
すべてを馬鹿にした
悪いのは自分ではない
ほかのだれかなのだ
いや
そこらに落ちている石のせいなのだ
何も自分はしていない

いやになるほど
そういうことを繰り返してきて
とうとう馬鹿が行き詰った
今はそういう時代なのです
もうごまかすことはできない

何をしたのかを
まっすぐに見つめなさい
そこから逃げてはならない
逃げてしまえば
あなたがたは永遠に
あなたがたの根を失う
もはやそういうことになりきっているというのに
馬鹿なものはまだ
自分の影から逃げようともがいている

自分が馬鹿なものになるのはいやだから
馬鹿なことを自分がしたことを認めなかった
それだけで
あまりにも自分は馬鹿なものになった
それが
人類の過ちの姿というものです
わかりましたか

もうやめなさい
逃げても無駄だ
あなたがたが認めなくても
すべての人間が
あなたがたのしたことを知っている
どこに逃げようと言うのか
世界中のすべてを照らす
神の目の下で
どこに隠れるところを探すと言うのか

いやらしいことを
考えるのをやめ
まじめに考えなさい
もう二度と
馬鹿なことはできないということを
きっかりと認めなさい

それ以外にもう
あなたがたの生きる道は
ないのです




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