キンシャサ、電撃王への軌跡…高松宮記念 <HO
目下3連勝。7歳にして本格化したキンシャサノキセキ
キンシャサノキセキが、高松宮記念でG1初制覇を狙う。これまで6度、挑戦したG1では08年のこのレース2着など、あと一歩まで迫ってきた。一時、結果が出ない時期もあったが、7歳春を迎えた今年は、前哨戦のオーシャンSを快勝。戴冠へ最高のチャンスがめぐってきた。今がまさに充実期だ。キンシャサノキセキは、昨年10月からスワンS―阪神C―オーシャンSと重賞3連勝。南半球産で生まれが半年遅いせいだろうか。7歳と本来ならピークを過ぎておかしくない時期にもかかわらず、スプリント界の頂点がはっきりと見えてきた。ビッグタイトルは、いつでも手に届きそうだった。一昨年の高松宮記念。直前のザ石の影響がありながら首差の2着。同じ年のスプリンターズSでも中団から追い込んで2着と健闘したのだ。ところが、期待された昨年は、高松宮記念、スプリンターズSともに2けた着順の大敗を喫してしまった。
それでも、その後から再び軌道に乗った。昨年10月末のスワンSで2つめの重賞をゲットすると、3連勝。好位差し、追い込みなどレースぶりにも幅が出た。復活の大きな要因は精神面の成長だ。調教をつけている菅沼助手はこう説明する。
「以前は調教で走り過ぎていたけど、今ではカッカしたところが抜けて、力みなく走れている。だから、競馬に行っても安定している。力をつけているというのもあるけど、ようやく落ち着いてくれたね。オンとオフのスイッチがわかってきているみたいだから」。一時はブリンカーを着用するなど、気性的に難しい面があったが、能力全開を妨げるものが、ようやく姿を消したのだ。精神面の成長があったからか、体調面も充実してきた。前走から中2週となるが、18日にはニューポリトラックコースで5ハロン68秒5の1週前追い切りを消化。「使ったあともへこたれることがない。元気いっぱいだね。このまま行ってくれれば楽しみだね」。菅沼助手の表情は明るい。
馬名の由来となった「キンシャサの奇跡」とは、1974年10月、32歳となり、限界説がささやかれていた元ボクシング世界ヘビー級王者ムハマド・アリが、ザイール(現コンゴ民主共和国)のキンシャサで、当時の王者ジョージ・フォアマンにKO勝ちした一戦のこと。7歳馬キンシャサノキセキにとって、チャンピオンの座は、すぐそこだ。
(2010年3月23日06時01分 スポーツ報知)
【高松宮記念】自信アリ!キンシャサノキセキ主役狙う <SP
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G1奪取を狙うキンシャサノキセキ Photo By スポニチ |
春のスプリンター決定戦「第49回高松宮記念」。香港馬の回避で混戦ムードが漂う中、主役の座を狙うのがキンシャサノキセキだ。08年にはスプリントG1で2着2回と、あと一歩のところで涙をのんでいる。7歳にして本格化、重賞3連勝中の勢いでスプリント戦線の頂点に立つ構えだ。
重賞3連勝中のキンシャサノキセキが、一気にG1タイトル奪取を狙う。南半球産で9月の遅生まれ。その分、成長するのにも時間がかかった。7歳になり、ようやく完成の域に達してきた。調教で手綱を取る菅沼助手が感触を口にした。
「気性面で成長したね。カッカするところがなくなった。若いときは調教でも引っ掛かって抑えるのに苦労していた。気が強くて走り過ぎていたが、抜けて走れるようになった。それが結果につながってきた。全体的に力もつけているよ。オンとオフのスイッチが自分で分かってきたんじゃないかな」
素質は、もともとかなりのものがあった。だが、精神的に燃えやすい気性で、その能力を実戦でなかなか発揮することができなかった。年齢を重ねて落ち着きが出て、気持ちをコントロールできるようになったことが結果に結びついてきた。前走・オーシャンSは苦手な道悪の馬場で、重量は初めて背負う58キロ。厳しい条件だったが、あっさりと克服した。これまでG1は6戦して2着2回、3着1回とあと一歩だったが、今の充実ぶりなら、十分に手が届きそうだ。
18日の1週前追いでは、ポリトラックコースで馬なり調整。単走だったが、いい具合に気合が乗っていた。時計は5F68秒5~1F12秒0をマーク。菅沼助手は「予定通りだね。しまい重点で直線だけ気持ちよく走らせる感じ。前走後も疲労はなく、元気いっぱいだよ。このまま本番に行ってくれれば楽しみ」と笑顔を見せていた。
スプリングSでは、厩舎の後輩アリゼオが完勝してクラシック舞台へ名乗りを上げた。厩舎の勢いも大きな追い風となりそうだ。大人になったキンシャサノキセキが、主役として堂々とG1の舞台へ乗り込む。 [ 2010年03月23日 ]
【高松宮記念】3度目のキセキなるか? <SP
キンシャサノキセキは3年連続の出走となる。08年は好位から直線で抜け出すも、ゴール前でファイングレインに首差かわされて2着(5番人気)。09年は好位追走も直線で伸びを欠き、10着に敗れた(5番人気)。 [ 2010年03月23日 ]