「天皇賞(秋)・G1」(31日、東京)
充電完了だ。ブエナビスタが、史上15頭目となる牝馬による天皇賞・秋制覇を目指す。宝塚記念2着後は放牧を経て、9月15日に帰厩。本番に向けて、ここまで着々と態勢を整えてきた。府中はオークス、ヴィクトリアマイルと2戦2勝を誇る絶好の地。強豪牡馬をまとめてなぎ倒して、国内最強の座を手に入れる。
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目指すは「牝馬最強」から「国内最強」の称号だ。府中G1で2戦2勝を誇るブエナビスタが、秋の盾制覇に乗り出す。
1週前追い切りは21日。いつも通りに栗東CWで行われ、6F80秒5‐38秒8‐12秒2の好時計をマーク。直線で鞍上の合図に即応し、豪快なフットワークを繰り出してゴール板を貫いた。松田博師は「変わらず順調。思ったよりも速い時計が出たけどな。タイムはあまり関係ない。馬場が軽かったんとちゃうか。それでもあれだけのタイムが出るのは底力が違うということ」と目を細めた。
昨年の有馬記念はドリームジャーニーの強襲に敗れ、今年の宝塚記念はアーネストリーに競り勝ったところを、後の凱旋門賞2着馬ナカヤマフェスタに差し切られた。手が届きそうで届かない混合G1の勲章。「獲りたいのはやまやまだが、そんなに簡単にG1を獲れるわけじゃないからな。ただ、オトコ馬との力差はないよ」とトレーナーは反撃を見据える。
今年は海外へ活躍の場を広げ、ドバイ・シーマクラシックで2着と健闘。来春も海を渡る可能性はある。しかし、指揮官は明言を避けた上で、改めて秋盾への意気込みを示した。「来年のことは何も決まっていない。あくまで(海外遠征は)選択肢の一つとしてあるだけ。とんとん拍子で進んで、初めてそこで考える。まずは目の前のG1で結果を出さんことにはな」。史上15頭目の牝馬による秋天制覇、そして自身5つ目のG1タイトル奪取へ。国内最強の座を確固たるものにすれば、未来はおのずと開けてくる。
【天皇賞・秋】ブエナ×スミヨン!鬼に金棒/SAN