「宝塚記念・G1」(27日、阪神)
グランプリホースになる態勢は整った。最終追い切りが23日、東西トレセンで行われ、ブエナビスタが栗東CWでの併せ馬で好ムードを漂わせた。日程的に厳しかったヴィクトリアマイルが、力の違いを見せつける強い内容。牡馬を撃破し、ファン投票1位に応える。連覇を狙うドリームジャーニーは、池添を背に栗東坂路で単走。アクシデントで春の盾を自重したが、巻き返しへ上昇曲線だ。なお、枠順は24日に確定する。
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ファン投票1位の熱い支持に応えようと、女王ブエナビスタが静かに闘志を燃やしている。最終追い切りは栗東CW。前を行く2頭を追走する形で始まった。リズム良く首を上下させ、折り合いもきっちり。6Fで3馬身あった差が自然に詰まっていった。
4角で内に入ると、最後はダイシンプラン(5歳オープン)との併せ馬。いったん前に出てからは、相手が迫ればその分だけ伸びるという余裕を見せ、6F83秒5‐38秒0‐12秒3をマーク。確実に前を捕らえるという覇気がうかがえた。
「いつも通り“しまいだけやっとけ”という指示。動きは良かったな」と松田博師は終始笑顔。ドバイ遠征帰りで日程の厳しかった前走のヴィクトリアマイルは、後方から大外一気の勝利。力でねじ伏せる強い内容だったが、さすがに道中は“きょうは駄目か”と思ったと言う。「前走は(調整の)時間がなくて馬にはかわいそうだった。頭の下がる思いでいっぱい」と愛馬を気遣った。
前走後は厩舎でじっくり調整。初めて背負う56キロ、そして男馬相手にも「今の状態なら気になることはない。距離が延びるのもいいしな。あとは乗り役任せだよ」と自信をみなぎらせる。
全権委任された横山典も「前走は返し馬の雰囲気から良くなかった。レースでも前に行けなかったけど、それで勝つんだからな。底力を思い知らされた。状態さえ良ければ、何も心配することはない」と自信満々。“現役最強牝馬”から“現役最強馬”へ。その称号を手にする瞬間は、すぐそこまで迫っている。
【宝塚記念】ブエナ、男勝りの女王仕上げ!