京都牝馬Sの追い切りが26日、東西トレセンで行われ、アグネスワルツが栗東坂路で4ハロン52秒2をマーク。力強い動きでオークス3着馬が完全復調をアピールした。愛知杯3着ヒカルアマランサスは、栗東ポリトラックでラスト1ハロン11秒1と抜群の伸び。秋華賞3着以来のアプリコットフィズは美浦の坂路で軽快な動きを見せ、久々でも仕上がりに不安はない.
冷たい風が吹き抜ける栗東トレセンで、昨年のオークス3着馬アグネスワルツが熱い走りを見せつけた。坂路4ハロンは52秒2。急勾配を力強い脚取りで駆け上がり、ラスト1ハロン12秒7で勢いよくフィニッシュした。「まっすぐに伸びてくれた。具合はいい。感触は良かったし、申し分のない状態だと思う」
騎乗した久保田調教助手が頬を緩める。単走でも集中力は十分。鞍上の指示に対して、最後までしっかりと反応した。
昨秋はローズSで戦列に復帰したものの、夏の暑さの影響で状態が今ひとつで、7着に敗退。秋華賞9着を経て、前走のターコイズS(OP)で2着と、レースを使いつつ、確実に調子は上向いてきた。宮本調教師がデキの良さを強調する。
「ようやくいい頃(オークス3着時)の体調に戻ってきた。寒い時期がいいのかもしれないね」
芝1600メートルだった前走は軽快に先行して、コンマ2秒の2着に踏ん張った。トレーナーも「久々に連対してくれて安心した。マイルから2000メートルがこの馬には合っているね」と安堵の笑み。“再浮上”への確かな手応えをつかんでいる。
「力は持っている馬やし、今年の4歳世代は強いからね。平坦の京都になるのはいいし、あとは運があればチャンスはあると思うよ」
トレーナーが明るい見通しを伝える。さらに、今の京都の芝コースは先行馬が有利の傾向。いかにもアグネスワルツ向きだ。自慢のスピードを生かしてライバルを完封。重賞初制覇へのイメージが膨らんできた。 (宇恵英志)