第2回レパードS(22日、新潟11R、重賞、3歳オープン国際、馬齢、ダ1800メートル、1着本賞金4500万円=出走13頭)北村宏司騎乗で単勝2番人気のミラクルレジェンドが、直線で“ミラクル”な末脚を発揮し、ハナ差で初の重賞を獲得した。1分51秒8(良)。428キロと小柄ながら、卓越した勝負根性の3歳牝馬の今後が楽しみだ。6番人気グリッターウイングが2着、GI9勝馬ヴァーミリアンの弟で1番人気ソリタリーキングは3着に敗れた。
428キロしかない小さな牝馬ミラクルレジェンドが、猛然と砂を蹴り上げて牡馬を追い上げると、ハナ差で初の重賞タイトルを手に入れた。
「間に合わないかと思った~」。汗だくで引き上げてきた北村宏司騎手が笑顔で検量室前の1着の枠場に馬を誘導した。テン乗りで臨んだ重圧からも解放されて安堵の表情だ。
前走の交流GI・JDD(4着)でスタートにつまずいた教訓もあってか、ソッとゲートを出すと、飛ばしていく他馬に取り残されるように後方2番手。同舞台の古馬オープン・関越Sよりも速い1000メートル通過60秒5という芝レース並みの超ハイペースについていけない。向こう正面で馬群の中に入れてロスなくコーナーを回ると、直線は先に抜け出したソリタリーキング、グリッターウイングを急追した。
「思ったより後ろからの競馬になって、追走に余裕がなかった。でも最後はよく伸びてくれましたね。偉い馬です」
関屋記念(レッツゴーキリシマ)に続く新潟重賞2勝目を挙げた北村宏は、サマージョッキーズシリーズで2位タイまで急浮上。優勝者に資格が与えられるワールドスーパージョッキーズシリーズ初出場も見えてきた。
芝で勝てず、ダートに路線変更して3連勝。重賞初挑戦の前走でも牡馬相手に0秒1差と能力を示していた。札幌で観戦した藤原英昭調教師は「牝馬でよくこの暑い夏場を乗り切ってくれた。ダートを使い出してから堅実に走ってくれているし、本当に頭が下がる思いです」と脱帽。この後は宮城県の山元トレセンに放牧に出て英気を養う予定だ。
昨年の上位馬からトランセンド、スーニ、シルクメビウスといったダート界の新勢力が続々と登場したレパードS。今年の勝ち馬ミラクルレジェンドが、今後のダート界に旋風を巻き起こす存在になる。そんな予感を覚える強さだった。(柴田章利)
【レパードS】ミラクルレジェンド重賞初V