【エリザベス女王杯】アパパネ5冠へ圧巻!78秒9猛時計・SP
牝馬の頂上決戦「第35回エリザベス女王杯」の追い切りが10日、栗東、美浦トレセンで行われた。栗東で調整を積む3冠牝馬アパパネは、序盤でペースアップする誤算こそあったがラストまで辛抱しきって6F78秒9の猛時計。G1・5勝目へ着実に前進した。
満点の追い切りではなかった。だが、アパパネは崩れることなく最後まで踏ん張った。3冠牝馬の真の実力、そして途方もない潜在能力を見せつけた。
福田調教厩務員を背にCWコースを単走。3コーナー手前で馬が行きたがり、12秒台へとピッチが上がってしまった。4コーナー手前で落ち着き、その後は低い姿勢でシャドーロールをリズミカルに揺らしたが、ラストは13秒0。12秒0でビュンと駆け抜けた秋華賞時と比べると、一見物足りなく映った。
「序盤で少し行きたがった。その分、しまいはいっぱいだったが、全体時計は速かった。許容範囲だよ、問題ない」と国枝師は解説した。確かにゴールの800メートルも手前から12秒台を3本並べてラストも加速しろというのは無茶な話。むしろ道中で飛ばしても直線でフォームが乱れなかったこと、13秒0でとどまったことを評価すべきだ。CWコースで6F78秒9もめったにお目にかかれない数字。全体で見れば、さすが3冠馬といえる動きだった。
「秋華賞後は、くたびれた感じもあったが、すぐに元気が戻った。体重は前走(490キロ)と同程度。調子は、いい意味での平行線かな」と国枝師。大目標が秋華賞だったので上積みがないのは仕方ない。とはいえ、外から他馬を完ぺきに封じ切った内容から、前走の出来を維持できれば、ここでも実力上位であることに疑いはない。
木曜追いか、という話が出たことについても師は言及した。「若干力みがあるので、間隔を1日だけ取ろうかという意見が出た。生き物のことで相当に微妙なレベルだが、僕が見て、そんなに気にする必要もないと判断し、ゴーサインを出した」と解説した。
今回は古馬、外国馬との初対戦。「強い馬もいて決して簡単ではないが、十分に戦えるはず。楽しみに感じる」と指揮官は力強く語った。3冠牝馬から名馬の域へ。エリザベス女王杯でアパパネの真の実力が試される。
≪中央G1年間4勝なら牝馬初の快挙≫アパパネが勝てば、中央G1年間4勝。牡馬ではテイエムオペラオー(5勝)、シンボリルドルフ、ナリタブライアン、ディープインパクト(4勝)がいるが牝馬では初の快挙。年度代表馬の座もグッと近づくが「そこまで考えていなかった。記者が投票してくれるようロビー活動でもしようか」と国枝師は冗談めかした。女王杯出走後は有馬記念でブエナビスタとの激突も期待されるが「グランプリについては、ゆっくり考える。今は目の前のレースに全力投球」と指揮官は語った。
[ 2010年11月11日 ]
【エリザベス女王杯】栗東レポート~アパパネ・RN
☆11月14日(日)京都競馬場で行われる第35回エリザベス女王杯(GI)に出走予定のアパパネについて、追い切り後の関係者のコメントは以下の通り。
◎アパパネについて、国枝調教師
秋華賞はとにかくスムーズなレースで、三冠の中では一番安心して見ていることが出来ました。
レースの直後は疲れた感じでしたが、その後は取り立ててなんの問題も無く元気一杯なので先週と今日追い切ることが出来ました。
先週はCウッドコースで5Fから気分良く走らせることに主眼を置いて何の不安も無くいい追い切りができました。
今朝(水曜日)は先週と同じぐらいで余力があれば伸ばしてという指示でした、ただテンに行きたがる面を見せたので全体的には時計が速かったかも知れません。
古馬牝馬でも強い馬がいますから(勝つことは)簡単ではありません。また外国の馬もいます、でもこの点に関しては楽しみでもあります。
とにかくここまで順調に来ていますのでもうひとついいレースをして欲しいですね。
取材:檜川彰人.
アパパネ秋華賞と同じぐらい/エ女王杯/NI
エリザベス女王杯(G1、芝2200メートル、14日=京都)でG1・5勝目を狙うアパパネ(3、美浦・国枝)が10日、滞在先の栗東Cウッドコースで追い切られ、6ハロン78秒9-13秒0をマークした。ゴール前のアクションは地味だったが、国枝師は「全体の時計が速かったこともあるし、何ら問題はないと思う。秋華賞の時と同じぐらいの状態。もう十分でしょう」と及第点を与えた。
アパパネ動きリズミカル/エ女王杯/NI
[2010年11月10日16時21分]
G1・4勝馬アパパネは全休明けの火曜、Cウッドでリズミカルな動きを見せた。「特に変わりなくきています。今日は風が強かったのもあったけど、いつもよりはまぁまぁでした」と福田調教厩務員。追い切りは水曜の予定だが、馬の様子次第で木曜になる可能性もある。「目に見えない部分がどうか。その辺をうまくクリアしてくれたら…」と話していた。
[2010年11月10日8時9分 紙面から]
【エ女王杯】アパパネ、軽~く流した・DA
「エリザベス女王杯・G1」(14日、京都)
初の古馬相手に5つ目のG1タイトルを狙うアパパネ。9日は角馬場から栗東CWを軽く流した。「特に変わりはないよ」と福田調教厩務員は順調さをアピール。その反面で「目に見えない部分でどうかだけど、うまくクリアしてくれれば。追い切りを1日延ばすかも」と慎重だ。水曜予定の最終追い切りが、当日朝の状態次第で木曜になる可能性を示唆した。
ローズSでアパパネを破っているアニメイトバイオも、関東馬ながら栗東滞在馬。
鞍上には主戦の後藤騎手が跨り、Cウッドに登場。全くの馬なり調整で、6F83秒5-66秒8-52秒3-38秒2-12秒5を計時。前回は直線抑えてラスト1F14秒台だったが、けさは12秒5と文句なしの伸び。こちらも更に調子を上げているようだ。
関東馬プロヴィナージュも栗東留学中で、坂路コースで追われた。
スローラップから2F目に鞍上の指示で一気にペースアップ。一杯に叩き出されると、51秒7-37秒3-12秒5をマークした。先週も50秒7の速い時計を出しており、2週連続ハード追いが出来るほどの好調ぶりを示した。
一方美浦では、秋華賞で大敗を喫したオークス馬サンテミリオンが南ウッドで調整された。
僚馬ゲイルスパーキーを1馬身追走し、直線で内から馬体を併せて、そのまま併入。67秒3-51秒9-38秒8-13秒0を馬なりでマークしたが、重苦しかった前走時よりも、動き自体はシャープさを取り戻している。
レースは14日、京都競馬場(11R)、午後3時40分にスタートが切られる。
【エリザベス女王杯】アパパネ、テンションも問題なし/SP
G1・5勝目に挑むアパパネは角馬場からCWコース。力みのないフォームで周回した。「特に変わりなく来ている。いい感じに力が抜けていたしテンションも問題なし。今の感じでレースに行ければ…」と福田調教厩務員は語った。10日に追い切る予定だが、木曜追いにスライドする可能性もある。「先生(国枝師)と相談した上で決まる」と同調教厩務員は話した。[ 2010年11月10日
G1・4勝馬アパパネ(3、美浦・国枝)は全休明けの火曜、Cウッドでリズミカルな動きを見せた。「特に変わりなくきています。今日は風が強かったのもあったけど、いつもよりはまぁまぁでした」と福田調教厩務員。追い切りは水曜の予定だが、馬の様子次第で木曜になる可能性もある。「目に見えない部分がどうか。その辺をうまくクリアしてくれたら…」と話していた。[2010年11月9日18時29分
食いしんぼうアパパネ好調かな/エ女王杯/NI
<エリザベス女王杯:和田美保のG1責任予想>
牝馬3冠を達成したアパパネがG1・5勝目を狙って14日のエリザベス女王杯(芝2200メートル=京都)に挑む。「G1責任予想」は女盛りの和田美保が担当します。全休日の8日は栗東トレセンでアパパネの様子をチェック。もちろん馬券も「今回こそ当ててみせます!」。
午前4時55分。久しぶりの4時台起床だ。寝癖を隠すために髪を巻こうとするが、コンセントまでの1メートルが遠くて断念。取材中、おなかが鳴らないように、京都駅で買ったおせんべいを1枚食べ、5時45分に部屋を出た。雨予報を回避できたのは雨男の山本記者がいないからか。理由は何でもいいが、とにかくうれしい! 3冠牝馬となったアパパネと久々のご対面だ。
福田調教厩務員と会ったのは確か栗東入りする前の8月以来。アパパネは相変わらず食欲旺盛だ。ほとんどご飯に夢中で見向きもしてくれない…。でも、牝馬は食が細い子も多い。食べない心配をするよりずっといい。史上3頭目の3冠牝馬。今回は年間G1・4勝目がかかるわけだが、1年にG1を5勝したのは00年テイエムオペラオー(天皇賞・春、宝塚記念、天皇賞・秋、JC、有馬記念)だけ。4勝はシンボリルドルフ、ナリタブライアン、ディープインパクトの3頭。泣く子も黙る顔触れ。勝ったら仲間入り。すごい。
エリ女参戦は早い段階でローテーションに組み込まれていた。それでも「少しでもおかしいところがあったら使わない、という話だった」。細心の注意を払ってエントリーされた。「調教を休んだりしていないし順調だよ。ただ、3冠にすべてをかけていたし、秋華賞はその後のことを考えずに仕上げた」。秋華賞は外々を回って他を寄せ付けない強さだった。古馬相手だろうが、個人的にあれ以上の出来は必要ないと思っている。7日日曜の坂路は63秒7と国枝厩舎にしては遅いのは、状態の維持に主眼を置いているからだ。「今週は先生から、騎乗依頼受けたよ(笑い)」。最終追い切りに福田調教厩務員が騎乗する予定となっているのもそのためだろう。
06~08年は3年連続で3歳馬が勝利。昨年は前残りの結果ブエナビスタが3着に敗れたが、最近の3歳馬は強い。古馬代表格であるメイショウベルーガの古小路助手も「アパパネって強いねえ。2キロ差かあ…」とつぶやいていた。アパパネが気にするのは、状態の維持と外回りでの折り合い。今回も「自分との闘い」という気がするが、他陣営は3冠牝馬の動向を結構気にしている。
[2010年11月9日8時20分 紙面から]
【エ女王杯】完璧仕上げアパパネ12秒1! ・SAN
2010.11.10 15:25
ウッドコースで追われ、完璧な仕上がりを見せたアパパネ=栗東トレセン(撮影・安部光翁)
14日に京都競馬場で行われる牝馬の頂上決戦「第35回エリザベス女王杯」(GI、芝2200メートル(外回り)、1着賞金9000万円)に向けて、栗東、美浦のトレーニングセンターで、最終追い切りが行なわれた。
史上3頭目の牝馬3冠馬アパパネは栗東に長期滞在中。けさもCウッドコースで、単走で追われた。
前半はやや行きたがるそぶりを見せたが、5F過ぎからは鞍上との呼吸はピタリと合いスムーズに加速。一杯に追われて6F78秒8-64秒4-51秒2-38秒2-12秒1をマーク。
いつもラスト追いは馬なり調整だったが、今回は初の古馬相手に外国馬も加わるとなるだけに、ここはピークに仕上げた印象。凄みを増したパワフルな動きは、まさに絶好調の雰囲気。