「朝日杯FS・G1」(19日、中山)
見事に課題をクリアした。グランプリボスが15日、栗東坂路を軽快に駆け上がり、出来の良さを誇示した。小林慎(レースはデムーロ)を背に、タカオセンチュリー(7歳オープン)の直後で折り合い重視の併せ馬。残り1Fで反応良く抜け出すと、4F53秒0‐38秒6‐12秒4で3馬身の先着だ。
矢作師も「指示通り。折り合いがついて、非常に良かった。何も言うことはない」と力強くうなずく。この中間は縦列の形でケイコを積んできた。「やってきたことが実になった。きょうも乗り手は“思った以上に折り合った”って」と進化し続ける姿に感心する。
京王杯2歳Sは鮮やかなVだった。「ハミをかんだのは最初の100メートルだけ。今回はマイルだけど、府中の千四よりもラップは速くなるんじゃないかな」。折り合いに進境がうかがえる今なら、距離にも不安はない。
コースを味方に 「広い東京でも我慢をしたんだから。中山も距離も平気。小脚が使えるからね」とデムーロが力を込めれば、トレーナーも「サダムやリフトは強い。でも、こちらは器用さがある。コースを味方にできる」と手応え。厩舎開業の05年に2着と涙をのんだ舞台。上昇を告げる重賞ウイナーが厩舎の悲願、G1初制覇へと突き進む。