「平安S・G3」(23日、京都)
得意の舞台なら譲れない。昨年2着のダイシンオレンジが19日、栗東CWで併せ馬を行い、鋭い伸び脚で先着を決めた。叩き良化型らしく、休み明け3走目で気配はグンと上向いている。昨年のアンタレスS以来の重賞V2へ視界は良好だ。
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復活走だ。ジャパンCダート8着のダイシンオレンジは、栗東CWで併せ馬を行った。サンライズウィル(5歳500万下)を3馬身ほど追走する形でスタート。前半はゆったりとしたペースを刻んで進むが、程良い気合乗りで、前に向かう姿勢が伝わってくる。
4角で大外に馬体を並べると、あとははじける瞬間を待つばかり。残り1Fで手綱を握る川田のゲキが飛ぶと、その動きに合わせるように鋭く伸びる。6F83秒6‐38秒3‐11秒9のタイムで3馬身の先着を決めた。
鞍上も確かな手応えを得る。「レースはあいているが、入念に乗り込んでいる。前走のときも(動きはいいので)中身の問題と言っていたが、いいころの状態に戻ってきた。違うオレンジが見せられると思う」。ここまで全6勝のゴールに導き、いいときも悪いときも全てを知る川田は右肩上がりを感じ取っていた。
その思いは庄野師も同じ。叩き3走目の変化に期待を寄せる。「時計はやれば出るが、2走前(11着)は、まだ息遣いや反応が本当ではなかった。前走も物足りなさは残っていた。あのペースなら、もう少し粘れてもいいはずだから。今週のケイコでは自分からハミを取って動いていたように、使いながら調子を上げている」。復帰後、初めて合格点を与えた。
舞台設定も申し分はない。昨年のアンタレスSで重賞初Vを挙げるなど、京都のダート1800メートルは4勝をマークする得意のコース。昨年2着の雪辱を果たす。「阪神(2勝)でも勝っているので、巡り合わせだと思うが、相性がいいというのは間違いないね。昨年は使ってきていたので一杯の感じだったが、今年は上り調子で臨める。今後を考えても、賞金を加算しておきたい」。本調子を取り戻し、好スタートを決める.