「エリザベス女王杯・G1」(14日、京都)
欧州2冠牝馬の力を見せつける。英、愛オークス馬スノーフェアリーが11日、京都競馬場の芝コースで最終追い切りを行った。全体時計こそ平凡だったが、全身バネを思わせる軽快なフットワークを披露。自信と誇りを胸に海を渡ってきた女王が、凱旋門賞を制したムーアを背に3つ目のG1タイトル奪取に意欲をみせる。なお、18頭の出走馬が決定。枠順は12日に確定し、馬券は13日に前日発売が行われる。
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欧州の最強3歳牝馬が本気で勝ちに来た。スノーフェアリーが京都競馬場で軽快リハ。今年の英、愛オークスを制した力を見せつける態勢は整った。
ハンナ厩務員を背に芝へ。1400メートルのスタート地点からキャンターを開始し、最後まで手綱は押さえられたまま。馬なりで3F48秒4‐14秒0を計時した。コンパクトなボディーながら、バネの利いた走り。追えばはじけそうなムードを漂わせる。ダンロップ師も「フレッシュでイキイキとしている。いい出来に仕上がっている」と納得の表情を浮かべた。
エリザベス女王杯への参戦は早くから決めていた。「英オークスを勝って決めた。このレースはボーナスを含めて、魅力のあるレース。それに馬場もブリーダーズCや英国より日本の方が合う。条件がそろっていた」。JRAが設定した褒賞金は、3着までに入線すれば獲得賞金が倍増するという破格なもの。目の色が変わるのも当然か。
ただし、日本の硬い馬場、速い時計をクリアすることが課題になる。「スピードが出る馬場には違いないが、フェアな馬場。2歳時にはマイルでスピード競馬に対応しているし、日本の芝にも適応する」と師は胸を張って、ノープロブレムを強調する。
日本遠征に対するノウハウも持っている。05、06年のジャパンCにウィジャボードを送り込み、コートマスターピースでは06年のマイルCSと阪神Cに参戦した。「ウィジャボードのときは連れてきた日がレースに近かった。だから今回は早めに連れてきた。輸送で10キロほど減ったが、順調に戻った。1度放馬するアクシデントもあったが、影響はない」と状態面に自信をのぞかせる。
「タフ。大きな馬じゃないけど、ハートは非常に大きい」と評価するフェアリー。レースでは中団から抜け出す形をイメージする。「3歳牝馬としては最強。その誇りを持っている。3冠馬のアパパネには人気では抜けないけど、いい勝負ができると信じている」と信頼に揺るぎはない。
このあとは、ジャパンCへの参戦も視野に入っている。「今回の結果次第で参加したいけど、オーナーと相談してからになる」。まずは欧州2冠牝馬の強さを見せつける。そして、タイトルを手土産に、国内最強馬ブエナビスタとの日英牝馬対決へと夢は広がる。