ある産婦人科医のひとりごと

産婦人科医療のあれこれ。日記など。

不妊症の原因検索としての一次検査

2020年06月26日 | 生殖内分泌

不妊症は1つの原因が見つかっても他の原因がないとはいえず、治療に先立って、原因検索のための一次検査を網羅的に実施する必要があります。『産婦人科診療ガイドライン・婦人科外来編2020』には比較的簡便な以下の一次検査が示されています。

①基礎体温測定
基礎体温測定は、排卵や黄体機能を簡易的に評価でき、検査の日程を決めるうえでも有用です。

②超音波検査
超音波検査は子宮および卵巣の状態観察に必須の検査です。また、経腟超音波検査は卵胞発育モニタリングに欠かせません。子宮内腔の形態評価にはソノヒステログラフィー(SHG)が有用です。

③内分泌検査
黄体化ホルモン(LH)、卵胞刺激ホルモン(FSH)、エストラジオール(E₂)、プロラクチン(PRL)、プロゲステロン(P₄)、テストステロン(T)、甲状腺刺激ホルモン(TSH)の測定。(月経周期とホルモンの変化
・LH、FSH、E₂の3項目は月経周期3~7日目に測定する。
・乳汁分泌、排卵障害が認められる症例ではPRL測定が勧められます(高プロラクチン血症)。特に多嚢胞性卵巣症候群を疑う症例では併せてTを測定します。
・P₄測定は黄体機能不全を疑う症例で黄体期中期に実施します。

④クラミジア抗体検査あるいは核酸増幅検査
・クラミジア抗体検査(IgG、IgA):クラミジア感染の既往の有無の診断に有用です
・子宮頸管のPCR検査:検査時点でのクラミジア感染の有無の診断に有用です

⑤卵管疎通性検査
子宮卵管造影、超音波下卵管通水法、卵管通気法。

⑥精液検査
男性因子の評価に必要な検査です。治療に先立って実施することが勧められます。

⑦頸管粘液検査
頸管粘液検査、精子子宮頸管適合検査(フーナーテスト)。これらの検査は排卵期に実施することが重要です。

産婦人科診療ガイドライン・婦人科外来編2020
CQ318 不妊症の原因検索としての一次検査は?

1. 基礎体温測定(A)
2. 超音波検査(A)
3. 内分泌検査(B)
4. クラミジア抗体検査あるいは核酸増幅検査(B)
5. 卵管疎通性検査(B)
6. 精液検査(A)
7. 頸管因子検査(B)

参考文献:
産婦人科診療ガイドライン・婦人科外来編2020、日本産科婦人科学会/日本産婦人科医会、2020

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