ロートル技術屋の日記

事件報道の功罪 犯罪事件は報道すべきか

先週、九州新幹線で放火事件が発生したことが報道されました。
逮捕された容疑者は先月の京王線で起きた事件を模倣したと供述していると報道されています。

京王線の事件はその前の小田急線の事件を模倣したとされており、模倣事件が続いています。

模倣事件は今に始まったことではなく、昔からある話です。

今回のような事件は報道する必要があるのでしょうか?
報道する側の論理は「身近な所に危険があることを報道し注意喚起する」ということでしょう。
しかし、上述のように報道されることで模倣する人が出てくるということを考えなければなりません。
報道されなければこのような犯罪を知ることがないので模倣事件は起きないのです。

確かに「注意喚起」は必要かもしれません。
ですが、容疑者が逮捕されている場合は報道する必要はないのではないでしょうか。
報道する側は販売部数や視聴率が上がることで利益が得られるのでしょうが、受け取る側は何か役立つことがあるわけでなく、ただの野次馬状態にしかなりません。
通り魔的な犯罪はいつ起きるかわからないので常に自分が被害者にならないよう周囲に気をつけていなければならず、事件が起きた時だけ意識しても「のど元過ぎれば熱さ忘れる」で効果は期待できません。

加害者がわからず、逃走している場合は事件が起きた地域だけ報道し、同様の事件で被害者を増やさないため、また、容疑者確保につなげるために報道すべきだとは思います。
でも、犯人を特定できる情報が無いのであればわざわざ全国に報道する必要はないでしょう。
全国に報道することで犯人はその情報から逃走しやすくなるはずです。
警察が容疑者を特定し、指名手配した、あるいは報道各社に警察から情報提供を呼び掛ける依頼があったのであれば報道しても良いのかもしれません。

加害者が意図せずに事件や事故になったものは全国報道しても良いと思います。
例えば飲酒運転による事故や高齢者が起こした事故などです。
飲酒運転がいかに重大な事故につながるかを周知することで飲酒運転の抑止効果が期待できます。
高齢者の運転ミスによる事故報道で自分の運転が大丈夫か顧みるきっかけになります。

事件や事故が起きた時に現場に報道陣が集まっている光景をテレビのニュース番組などで目にすることがあります。
とても異様な光景です。
上述のように販売部数や視聴率を上げるためにしのぎを削っているのでしょう。
そうさせているのは事件事故の報道を好む国民がいるからです。

高速道路の事故現場では事故とは無関係の反対車線が野次馬渋滞を起こします。
現場を見たところで何になるのでしょうか。
私は現場を通っても一切見ずにできるだけ早く通過するようにしています。
わき見をするために速度を落としただけで渋滞が発生します。
そのような行為が渋滞に巻き込まれるという形で自分にも帰ってくるのです。

野次馬根性はやめましょう。
今は報道関係だけでなくSNS等で個人が情報発信できるようになっています。
SNSで誰かが拡散すれば広まってしまいます。
それでもテレビで報道するよりは限定的になると思います。
自分の身を守るために犯罪が関係するような内容は不特定多数に拡散しないようにそれぞれが意識することが重要だと思います。

皆が犯罪報道に見向きもしなくなければ、マスコミも報道することが無くなり模倣犯を発生させずに済むはずです。
それが社会の安心安全を高めることにつながります。
そんな世の中にはならないものでしょうか。

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