返答


Z9 + NIKKOR Z 50mm f/1.2 S

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仕事で一般の人から製品に関する問合せのメールを受けることがある。
技術的な質問の場合もあれば、どこの販売店で手に入るか、といった内容の場合もある。
担当者が答えられる範囲、分かる範囲で、それに丁寧に答える。

すると同じ質問者から、さらに次の質問が来る場合がある。
こちらの返答に対し、新たな疑問が生じるのだ。
あるいは、より踏み込んだことを聞きたくなったり・・・
で、それに対し、また丁寧に答える。

普通に製品を検討されている人なら、2、3回やり取りすれば、必要な情報は得られて質問が終了する。
ところが、何度も何度も、際限なく質問が続くことがある。
質問に対して回答すると、分かりました・・で終わるのではなく、次の質問のメールが来る。
それに対し、また返答すると、間髪入れず次の質問が来る。

最初はよほどいろいろ考えて、悩まれているのだろうな・・と思った。
しかし、繰り返すうちに、まるでネタが尽きたかのように、質問の文章が短くなってくる。
ついには簡単な一言だけになるのだが、それでも次の質問が送られてくるのだ。
まるで返答が来たので、慌てて次の質問を、何とか捻りだして書いているかのようだ。

もちろん会社として、お客様からの質問にはしっかりと対応しなければならない。
だから毎回精一杯の返答をしている。
しかし一日にこう何回もメールが来ると、さすがにどうなっているのだろうか・・と疑問を感じ始める。

その理由に気付いたのは最近の事だ。
これはLINEの影響なのではないか。
相手の反応に対し、既読スルーでは失礼になってしまうので、何かしらの返答をする。
それもなるべく短時間で。

たとえばパソコンを使ったメールであれば、キーボードで質問事項を箇条書きにして、一度に送れば済む。
答える方もまとめて返答すれば完了する。
短文でひとつずつ小出しに質問を送って来るのは、LINEのやり取りの特徴なのではないか。
また最後に自分の側が返答せずに終わる事を恐れ、無限ループに陥ってしまう。

今やメールよりもLINEの方が日常生活に入り込んでいる。
メールで文章を作るのが苦手だった高齢の人や、パソコンを扱ったことのない若い人が、LINEは日常的に使っている。
LINEというのは、案外メールとは似て異なるものなのかもしれない。

どうも一生懸命やればやるほど、際限なく続くことが分かってきた。
そこですぐに返答するのをやめて、1日1回しか返事は書かないことにした。
また休日はメールを見ていない事にして、一切返事をしなかった。
するとそのループが断ち切られたようで、質問の嵐がピタリと治まった(笑)
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