空手


Z7 + NIKKOR Z 50mm f/1.2 S

大きな画像

BSでアニメの「空手バカ一代」を放映している。
原作連載開始50周年記念だという。
それがけっこう面白くて毎週楽しみに見ている。

僕が小学生の頃に放映していた作品であるが、画質が思いの外クリアである。
何か画像処理をしているのであろう。
くっきり見えてノイズがほとんど出ないのだ。

しかし絵のクオリティはさすがに低く、動きもかなり荒っぽい。
当時のブラウン管テレビの小さい画面で見ることが前提で作られているのだろう。
デッサンが狂っているところが散見されるし、ストーリーも無茶な展開が多いが、それはあの頃の作品なので仕方がないだろう。

内容は極真空手の生みの親であるO氏をモデルとした冒険活劇である。
主人公の飛鳥拳は、ストイックに空手道を追求する人物で、究極を目指すために世界中を回り、様々な格闘技の専門家と戦う。
悩み苦しみ、毎回ピンチに陥りながらも、努力と精神力と機転によって勝利を掴んでいく。

Wikipediaで見てみると、この作品は9割以上原作者K氏の創作で、真実ではない部分が多い、と書かれている。
この人物は実在する・・ということをわざわざ最初に謳っているので、余計にそのことが問題になる。
(まあ実在するのは確かなのだが・・・)
当時少年誌に連載されていた原作も読んでいたが、作品の内容を真に受けて、凄い人だと憧れた人も多かった。

フィクションが多いとは言っても、主人公のモデルであるo氏が凄い人物であったことは事実であるし、アニメの内容に、真実に忠実な部分もあるだろう。
しかし原作者のK氏が大袈裟にストーリーを作り上げたため、仮に事実だったとしても、すべてが疑われてしまっている。
今になって、この時期はここにいなかったはずとか、この人物とは会わなかったはずとか、内容を否定する文章を載せているサイトも多い。

当時は何よりもテレビ放映のアニメ作品として、視聴者に受ける事を第一に作られていたのだろう。
あくまでテレビ番組であり、事実かどうかはそれほど問題にならない時代だったのだ。
しかし実在の人物が次々に出てくるところが、この作品の評価を複雑にしている。

恐らくご当人や関係者は苦笑しながらも、これで少しでも空手に興味を持つ人が増えてくれれば・・という思いもあったのだと思うが・・・
(ちなみに主人公のモデルのO氏と原作者はその後仲たがいしてしまったという)
現在はそこをしっかり理解した上で、作品を楽しむしかないだろう。

学生時代の友人のY君は、若い頃O氏に憧れて空手をやっていた。
彼は実際にO氏にも会いに行った。
しかし漫画の飛鳥拳とは少々印象が違ったようで、「とても多弁な人だった」と言っていた。
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