チープな時計


D850 + SIGMA 35mm F1.4 DG HSM

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以前は時計といえば高いブランド時計で、できれば雲上ブランドなどと言っていた。
それはそれで面白い世界なのだが、最近はもっと手頃な価格の時計を気に入ってつけることが多い。
高くても数万円程度の価格帯で、多くはクォーツ時計である。
今はセイコーのプロスペックスをつけることが一番多い。

安い・・と言っては失礼かもしれないが、安い時計には安い時計の世界がある。
しかも往々にしてこのくらいの時計の方がスマートで、ファッションとして考えた場合に扱いやすい。
というか、身に付けるものって、つける当人がそれに見合う人物でないとおかしいのだ。
車もそうだが、もともとが西洋の文化ということもあり、東洋人と組み合わせると大抵の場合滑稽さが出てしまう。

一時・・というか現在もそうなのかもしれないが、カシオの千円前後の時計が人気になった。
いわゆるチープカシオであるが、チプカシなどと略して呼ばれて親しまれている。
あそこまで安いものになると、僕の歳ではちょっと難しい。
それなりに洗練された人でないと、お洒落と言うより貧乏臭くなってしまう。

チプカシは人気が過熱して、一時特定のモデルが品不足だった。
ところが今はヨドバシアキバに行くと専用のコーナーがあって山のように積まれている。
メーカーも販売店も売れると見て力を入れているのだろう。
さすがにああなると、ファッションの流行としては厳しいような気もする。
今は中国人観光客のおみやげになっているようだ。

このような「安物」が流行になるのは、成熟した文化のあらわれなのだろう。
昔は本当にそれしか買えなくて買っていた。
小学生の頃など、時計をつけているだけでお金持ちと言われた。
今はいくら不況とは言っても、お金をかけないことを気取れるほど、生活が豊かであるということだ。

自分の分に合ったものを選ぶ人は、とても知的でカッコよく見える。
あるいはあえて安価なものを選び、反ブランドを主張してみせるのもいい。
ただいずれにしても、意図があってそうしていることが、相手に伝わらなければならない。
まあそこが意外に難しいところなのだが・・・(笑)
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