課題


D810 + Carl Zeiss Otus 1.4/55 ZF.2

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朝方ミサイル発射の緊急速報。
ちょうど家を出ようと準備しているところだった。
例のチャイムが鳴り、一気に緊張が高まった。
アナウンサーの声が動揺で上ずっている。

着弾するとしたら、あと数分しかないじゃないか。
危険地域には入っていないが、続いて2発目が飛んでくる可能性だってある。
とりあえず外に出るのをやめて待機することにした。

と言っても何をしていいのかわからない。
地下室なんて無いし、避難のしようがない。
まずはこのまま建物の中にいるのが最善の策であろう。
核弾頭が爆発したら窓際は危険だな・・なんて考えながら、そのまま窓の外を眺めていた。

それにしても、東北方面に行ったか・・・
那須の田舎の光景を思い浮かべた。
あの辺りに鉄筋の丈夫な建物なんてほとんどない。
皆何もできず、黙ってその場で立っているだけだろう。

地震もそうだが、ミサイルに関しても、緊急速報が出たとしてもほとんど対処できない。
まあ何も知らされないよりは、身構えることが出来る分いいか。
たまたま地下鉄にでも乗っていたなら、そのまま地下で待機すれば助かる確率は高まるのだろうが・・・

ミサイルは北海道上空を通過した・・そう発表されてから、いつも通り家を出た。
やはり数分で日本の上空を通り抜けて行った。
このままグアムまで飛んでいくのだろうか・・・とその時は考えた。

通りに出ると、仕事に向かう人たちが歩いているが、やはりみな顔は引きつっている。
情報を得ようと、スマホを食い入るように見ている人が多い。
命の危険を感じても、やはり仕事には行くのだ。

不思議といえば不思議な話だ。
もし米国領に着弾すれば、戦争が始まるだろう。
それでもいつも通り仕事に行くしかないのだ。

電車も遅れることなく、定刻通り走っている。
運転手も逃げることもせず、黙々と運転するしかない。
途中で分かったのだが、その時点では埼玉県より北では電車はストップしていたらしい。
対象地域はあらかじめそう対処する話になっていたのだろう。

それにしても、どうしていいのか分からなくて、結局いつも通りの生活を開始するしかなかった。
ほとんどの人が同じであったろう。
今後に多くの課題を残した緊急速報であった。
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