境界線


D810 + AF-S NIKKOR 14-24mm F2.8G ED

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工場の近所で工事があり、土地の境界線をはっきりさせる必要があり、測量の作業が行われた。
それに立会いを求められた。
土地が隣接するご近所や道路との境界線を確認し、それでOKですという承諾書に判を押すのだ。

境界標と呼ばれるコンクリートのプレートが、地面に埋め込んである。
ご存知かと思うが、土地の曲がり角ごとにある、十字の切られたあの正方形のやつである。
今回は専門家が図面をもとに測量し直し、土地の境界線を確認するわけだが、それに対し境界標が正しい位置にあるかどうかも見る。
境界標自体が、必ずしも正しい位置にあるとは限らない、という前提で測定し直すようだ。

実際レーザーを使った現在の機器で計測を行ったところ、境界標の内何本かの位置が、測量結果とずれていることがわかった。
今の土地に工場を建てたのは25年以上前である。
その頃の測定データと誤差が出ているわけだが、それが普通のことなのか、あるいは寸分たがわぬ結果である必要があるのか、こちらにも知識が無くてよく分からない。

まあ幸いだったのは隣の会社との境界線で、その位置は25年前の測量通りでまったく狂いは無かった。
お隣との境にあるコンクリートの塀が、新たに測量した境界線の真上に設置されている。
地面に埋め込まれた境界標も、まさにその境界の位置を示していた。
いわゆる土地を巡る近隣とのトラブルには繋がらず、隣の会社の社長とは良好な関係で承諾書に判を押した。

道路と接した境界を示す境界標が、いくつかずれていた。
ここが正しい位置ですと、測量した業者が地面に赤く印をつける。
その正しいというポイントが、地面の境界標から5センチから10センチほどもずれている箇所がいくつかあった。

ここが正しいと言われても、はあそうですかと答えるだけで、どう対処していいのかわからない。
最初に埋め込まれた境界標を基準にして、建物(というより境目にある塀)が建てられている。
基本的に境界線のラインより少し内側に設置してあるので、多くは問題はなかったが、今回の測量の結果境界線が移動したために、中には塀がほとんど境界線と接している場所もある。

逆に公共施設側が、ウチの土地に数センチ入りこんでいる場所もあった。
これに対しては、お役所から立会いに参加していた人が、申し訳ないと謝ってきた。
貴社の土地に一部入り込んでしまっているが、いつかこの塀を作り直す機会があったら、ちゃんとずらして設置する・・ということだった。
その程度の話なのだ。

それにしても、何故当時測量した境界線と、こんなに違いが出るのだろう。
そもそも今回の測量結果を「正しい境界線」と言われても、そんなに精度の高いものなのだろうか。
(調べたら現在の機器の誤差は数ミリということであったが・・・)
今回はあくまで図面をもとに測量した結果だという。
図面上の土地と実際の土地とは違ってもいいものなのだろうか。

誤差が出た理由をいくつか考えてみた。

・最初の測量の時は機器の精度が低かったため、誤った位置に境界標を埋めてしまった。
・建物を建てた工事業者がいい加減で、境界標を適当な位置に移動した。(塀など作る際に邪魔なのでその隣に移したりした可能性はある)
・後から道路工事などで地面を掘り起こした際に、境界標が動いてしまった。(実際アスファルトを敷く工事で境界標が根元まで露出しているのを見たことがある)
・自然災害などの影響で地面そのものが動いた。
・悪意のある誰かが夜中に掘り返して移動した。

僕は意外に地震などで地面が移動した可能性もあると思っている。
東北の震災の時に、あれだけ横に揺れたのだから、地表全体がずれていてもおかしくない。
実際古い写真など見ていると、道などの位置関係が、現在と比べてどう考えてもずれているように見えることがある。
地面って意外にしょっちゅう動いているのではないか?
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