ある法則


D810 + AF-S NIKKOR 85mm f/1.4G

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いいものをゲットする人は、常に決まっている。
そういう法則が、どうやらあるらしい。
古靴のお店のオーナーから聞いた。

数年に1回しか入荷しないような逸品。
それも古靴の場合、現在生産されているわけではないので、世界にいくつ残っているかわからない本当に貴重なものである。
そういうものを現地で見つけて、大切に梱包して日本に向けて発送する。

それが日本の店舗に到着し、店頭に並べたその日に、ふらりと入ってくるお客がいる。
靴に関して、それほど深い知識があるわけではない。
それなのに、箱から出したばかりのその靴を見て
「これいいね、買っていこうかな」
ということになる。
しかも試着するとサイズまでピッタリ・・・

それがなぜかいつも決まった人なのだそうだ。
それほど多く靴を持っているわけではないのに、逸品ばかりがその人の手元に行く。
またあの人が買った・・ということになる。
そういう特別な人が、数人いるという。

見た瞬間にいいものを嗅ぎ分ける能力は、恐らく持っているのだろう。
しかしたまたま入荷した日を、狙いすましたようにお店にやってくるのは、どういうことなのだろう。
そう年中来るわけではないのに、平日の昼間、箱から荷物を出しているところに、ふらりと入ってくるのだそうだ。

僕が思うに、その分野に通じていて、知識の多い人ほど、かえって損をすることが多い。
そういう人に限って、貴重な巡りあわせに遭遇した時に、なぜか中途半端に悩んで、買うのを躊躇する傾向がある。
素直に飛びつけばいいのに、どうしようかと悩んでいるうちに、別の人にとられてしまうのだ。
そして次のチャンスは、何年も先か、あるいは二度と巡ってこないかもしれない。

お店としても、滅多に出ないような逸品は、できれば価値のわかるお客さんに手渡して喜んでもらいたい。
しかし、なかなかそうはいかないようだ。
ふらりと現れた強運の持ち主が、あっさりとゲットしてしまう。
そういう不可思議な法則が、かなり明確に存在するのだという。
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