賢島


D810 + Carl Zeiss Otus 1.4/55 ZF.2

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午前中は再度「おかげ横丁」に行き買い物をした。
ここは海産物が新鮮で、肉に関しても何しろすぐ隣が名産地の松坂だ。
食べ物は全般に豊富で美味しい。
干物などを箱に詰めて宅配便で家に送ってもらった。
赤福本店で赤福氷を食べて、伊勢を後にした。

現在は賢島のホテルにいる。
伊勢から車で一時間ほどの距離にある、英虞湾に浮かぶ島である。
太平洋に飛び出しているが、完全に囲まれた湾の奥の方にあり、眼下の海は静かで実に穏やかだ。
泊まっているホテルは素晴らしく、部屋は自宅の倍近い広さで、このまま東京に持ち帰りたいくらい(笑)



スチュアート・マクガイアのサドルシューズ。
70年代から80年代にかけて製造されたデッドストックである。
サイズははっきりわからないのだが、9Sと書かれている。
お店にあったデッドストックをいろいろ試着してみたところ、かなり良好に僕の足にフィットした一足であった。

スチュアート・マクガイアというブランドについては、詳しく書かれた文献がみつからない。
古靴としての弾数は多いようで、日本にもかなり入ってきている。
ところが古靴のショップでは、「古靴好きにはお馴染みの・・」と紹介されている程度で、どのようなメーカーなのか、解説しているところはほとんどない。
1962年に設立され、その後大手のメーソン社に買収されたが現在は活動していない・・という程度のことしかわからない。

どうも製品によって質が大きく上下していたようで、海外の掲示板を見ても評価が定まらない。
革の質が素晴らしく、フローシャイムなどの最上級の製品と変わらないという評価があれば、取り寄せたら台湾製の酷い代物で、以来二度と買っていない・・といった酷評もある。
ハノーバー社にOEMで製造させたり、中には英国で生産したものもあるようで、そういった会社の生産体制が製品ごとのばらつきを生んだのかもしれない。
結果的にはブランドも確立できなかったのだろう。

この靴も、ブランドのランクが必ずしも高くないという理由で、非常に安い値付けであった。
それがサマーセールでさらに引かれていたので、試しにひとつ買ってみた・・という程度なのだが、家に帰ってまじまじと見てみると、決して悪い出来ではない。
それどころか、かなり作りのしっかりとした高品質な製品に思える。
手に持つとずっしりと重く、物量が投入されているのがわかる。

中央部分が別パーツになり、馬の鞍を連想させるデザインの、いわゆるサドルシューズである。
しかしよくある2種類の素材を使ったツートン仕様にはせず、ご覧の通り濃茶の革一色で統一されている。
紫色を帯びたバーガンディ系のブラウンの革で、サドルシューズとしては変わったデザインといえる。
革の質もよく、磨くとぞくぞくするような素晴らしい艶を放つ。

内羽根式のため、足入れがちょっと面倒で、シューホーンを使って上手く滑り込ませなければならない。
一度スポッと入ってしまうと、フィッティングは悪くなく、多少踵が緩いくらい。
それも紐を締めれば気にならなくなる。

以前よりサドルシューズが欲しくて、ウォークオーバー辺りを考えていた。
しかしこちらの方が品質感が高く、所有した満足度もかなり違う。
どうやら今回も古靴の勝利と言えそうだ。
本当に古靴を買うようになって、現在売られている靴に対する興味がどんどん薄れていく。

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