階級


D800E + AF-S NIKKOR 35mm f/1.4G

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上海でいくつかのデパートを見学した。
高級と言われるショッピングモールや、より大衆的なデパートである。

高級なショッピングモールに行く層は、下の層のデパートに行くことはないという。
自分たちが行くところではないという意識があるのだ。
逆に下の階層の人たちは、目の保養のために、ハイエンド層のデパートを見に行くことはあるようだ。

貧富の差が大きく、しっかりと階級があるのは、日本との大きな違いである。
これは世界的に見て、むしろ日本の方が特殊と言えるだろう。

あちらの人に、いくつくらいの階級があるのか聞くと、8つか9つと即座に答えが返ってくる。
納得しているかどうかは別として、皆が階級をはっきりと意識しており、自分の立ち位置を認識して生活しているのがわかる。
日本人の僕にとっては、少し新鮮な驚きであった。

ハイエンドにしてもローエンドにしても、日本人の感覚より、レンジが広いことも特徴である。
高級と言われるショッピングモールでは、自動車はベントレーが売られていたが、BMWはなかった。
BMWはもう少し下の層の人たちの車ですよと言われた。
それだけ階級がきめ細かく分かれているということだが、その辺の区別のわからない日本人には理解しにくいところだろう。

腕時計でいえば、ロレックスもパテックも、多くの日本人にとっては同じ「高級品」でしかない。
「高級品」をさらに細かく分類するほどの階級がないのだ。
逆に言うと、ほとんどの人が少し頑張ればロレックスくらい買える社会でもある。
しかしあちらではそうはいかない。
中堅クラスのブランド、たとえばバーバリーあたりは、高級モールには入れないということであった。

とにかく人間の数が多いので、いい部分も悪い部分も、様々な特徴が色濃く強調されるのを感じた。
日本とは桁違いに人数が多いので、各層の特徴がどぎつく出るのである。
その点も、日本人が中国を理解しづらい原因になっている。
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