時計バンド・コーディネーター


NIKON 1 V1 + 1 NIKKOR 10mm f/2.8

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知人から、時計のベルトをコーディネートしてくれという依頼があった。
若い頃に買ったタグ・ホイヤーの金属製ベルトが、古くなって壊れてしまったので、革製に交換できないかというのだ。
というわけで、時計バンド・コーディネーターとしてデビューすることになった(笑)

本人の希望は黒い革のベルト、バックルは(僕のを見て)どうしても観音開き式にしてほしいという。
渡された古いタグ・ホイヤーのフォーミュラ1を見ると、ベルト取り付け部分が特殊で、ベルトの根元にケースが上から覆いかぶさっている。
しかし普通のバネ棒が使われており、カン幅はスタンダードな20mm。

20mmのベルトなら売るほど持っているので(笑)、早速手持ちのベルトをいろいろ取り付けてみた。
その結果、通常の厚みのベルトは取り付けられるが、根元に特別厚みのあるベルト(モレラートのスピードなど)は付かないことがわかった。
覆いかぶさったケース部分が邪魔をして、ベルトを一定の角度以上手前に曲げると当たってしまうが、腕につける時は逆方向に曲がるので問題はないだろう。



どのような組み合わせにするか考えた。
時計バンド・コーディネーターとしての腕の見せ所である(笑)

当初ベルトはヒルシュのデュークを考えていた。
あるいはモデナにして白いステッチを見せるのも、スポーティな時計なので面白そうだ。
しかしふと例のマルイの大特価アマデウスのことを思い出した。
あれなら価格はほとんど同じで、カーフ型押しではなく本物のアリゲータにすることができる。
しかもサイズも20mmでドンぴしゃりである。



まずはDバックルであるが、御徒町にある時計部品の卸問屋に行った。
ネット通販ならもっと安いものもあるが、メーカー製を値引いて買えるのはそこだけだ。
お店では顔を覚えられていて、挨拶された(笑)

次にベルトであるが、黒の竹斑アリゲータの在庫を持っている店舗は限られる。
とりあえず有楽町のマルイに行ってみたが、案の定、黒はもうないという。
確か吉祥寺のお店にはまだあったはずだと思い、電話番号を聞いてかけてみたら、予想通りまだ残っていた。
早速取り置きしてもらい、中央線快速で吉祥寺に向かった。
かなりの労力ではあるが、何しろプロの時計バンド・コーディネーターなのだから当然なのである(笑)



というわけで今日の時計ベルト。
タグ・ホイヤーのフォーミュラ1に、モレラートのアマデウス・マットアリゲーターのブラックをつけた。
バックルはバンビの両開き式レザーバックル、バネ棒はワンタッチ式に交換した。
ベルトは数年前の在庫だと思われるので、SAPHIRの爬虫類皮革用ケアクリームで手入れをした。



もとは金属のベルトのついた時計であったが、フォーミュラ1には黒いラバー製のベルトのついたモデルもある。
だから黒いアリゲーターのベルトをつけても、それほどの違和感はない。
よく合っていると言えるだろう。
ただフォーミュラ1に革のベルトの組み合わせは、初めて見るのでちょっと新鮮に感じる。

ちなみに黒い文字盤の時計は、多くの場合黒いベルトしか合わない。
ベルトとの組み合わせを考える立場では、黒い文字盤の時計は面白くないといえる。
以前某高級ベルト店の店員さんも、まったく同じことを言っていた。



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