接近中


D3X + AF-S NIKKOR 24mm f/1.4G ED

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激しい音を立てて、何度となく強い雨が降った。
勢いよく屋根の上を流れた雨水が、滝のように太い柱となって地面に刺さる。
屋根を冷やすことばかり考えていた社員が、勿体無いという顔でそれを見ている。

車で橋の上を通過すると、手の届きそうなところまで水位が上がっているのが見えた。
泥の色をした巨大な水面の動きが、激しい恐怖を感じさせる。
まだ台風はかなり南にあり、これから本番だというのに、今からこのような状態ではどうなってしまうのか・・・

道路の低いところでは、既に水が出ていた。
狭い路地など、本道から一段低くなったところは危ない。
薬屋に行こうと道を曲がったところで、深い水溜りに阻まれ、そのまま突っ切ろうかとも考えたが、思い直してUターンした。
街のあちこちで、黄色い雨合羽を着た人たちが、真剣な表情をして水の様子を窺っている。

帰れなくなる可能性も考え、早めに帰宅することにした。
いつもならもう少し事務所に残り、仕事の電話が来ないか待つところだ。
しかし日本中の広い地域が同じ台風に襲われているのか、電話も少ないようだ。

自宅に帰れば、鉄筋の建物の上の階なので不安は感じない。
ただ無人の一戸建てがあるので、ちょっと心配である。
会社の方も、今までの経験からどこに被害が出るかわかっていて、一応対策はしてきた。
しかし茶色い水で溢れそうになった川の状態を見ると、予想外のことが起きないかと不安を感じている。
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