消滅


LEICA X1

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カミーユ・フォルネからコノリー・レザーの時計ベルトが出ていることは書いた。
ところがWikipediaで調べればわかるが、コノリー・レザーという会社はもはや存在しない。
125年以上という長い歴史を持ち、英国皇室御用達であったこの皮革メーカーは、2002年に潰れてしまったのだという。

コノリーに限らず世界中の老舗のタンナーが、環境問題などが理由で次々に消えていく状況だそうで、高品質な革の供給源がなくなりつつある。
営業を続けている日本のレザーメーカーが、今後の供給元として世界から注目されているほどだという。

たとえば靴などでは、もう入手できなくなった貴重な革のデッドストックを使った製品が出ることがある。
売り切れたらそれまで、もう入手不可能という商品である。
何よりもまずこういうものを、先に買っておかなければならないわけだ。

コノリーを使っている高級自動車メーカーはどうなってしまうのかと思ったら、最後のストックを買い占めて、今はそれを使っている状況で、それが底をついたらコノリーのレザー・シートもそれまでだと聞いた。
コノリー・レザーで作られた財布などの小物も売られているが、そちらも同じ状況で、すでにいくつかのカラーの在庫が尽きているという。

それを聞いてちょっと慌てた。
財布をひとつ買っておこうかと思ったが、コノリーの財布って高いからなあ・・・(笑)
あの感触は最高なのだが・・・



その貴重な皮革のひとつ、今はなきドイツのカール・フロイデンベルグ社のボックスカーフを使った時計ベルトがこれ。
カワチヤ時計ベルト店がオリジナルで作ったもの。

まったくもって素晴らしい革で、つややかできめが細かく、惚れ惚れしながら眺めてしまう。
表面の微細な皺は、ベルトを腕に巻くとスッと消え、オイルを塗ったように滑らかなる。
作りも凝っており、ステッチは剣先にのみ施され、裏面は汗に強いソフリナを使用。
使うのが勿体無いベルトだ。
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