一番怖かった時


LEICA X1

大きな画像

地震で家が半壊してしまった義兄と話した時、今迄で一番怖かった出来事についての話になった。
義兄は地震の時、家と道を挟んだ空き地にいて、地震で自分の家が破壊されていく姿をずっと見ていた。
当然その話かと思ったら、そうではなかった。

義兄はアウトドア派で、よく山の中に釣りに行きキャンプをする。
夜テントの中で寝ていたら、背中を誰かに押されて目が覚めた。
グイグイと強引に体を押し付けてくるという。

半寝ぼけの状態であり、最初は誰が押しているのかと思ったが、その力や息遣いの荒さから、人間ではないことに気付いた。
ク・・クマだ・・・
残飯をあさりにきたクマが、テントの外側から、義兄の体の下あたりを探ろうとしてるのだ。

義兄は体を硬直させた。
しかしそのまま何も出来ない。
長い時間押されるがままになっていた。

義兄によれば、あれが人生で一番怖かったという。
地震は二番目だそうだ。
コメント ( 5 ) | Trackback ( 0 )