那須にて


D3X + AF-S NIKKOR 35mm f/1.4G

大きな写真

那須に来ている。
今回はわけあって実家には泊まらず、現地に宿をとった。
部屋はなかなかいい。
しかしネット環境がいまいち良くない。

東北自動車道は渋滞が激しく、到着に6時間近くかかった。
途中義兄の家に立ち寄った。
地震でかなりの被害を受けた家だ。
建て直すかどうか考えた末、補修で済ませることになった。

地震発生時、義兄はたまたま家の前の広場に立っており、家が揺れている様子を外から見る形になった。
震度6強から7近くあったのではないかという。

P波が届いた時点で、道を挟んで目の前にある空き地の地面から、ゴゴゴ・・という地響きとともに土煙が上がったという。
揺れが本格的に始まると、屋根の瓦の半分が崩れ落ちた。
やがて立っていることができなくなり、地面に座り込んだ。
隣のおばさんが這って出てきたが、何度か立ち上がろうとしてうまくいかず、あきらめてその場で頭を抱えてうずくまった。

被害を受けた家を見せてもらった。
家屋の向かって右側が、数センチ落ちて斜めになっている。
家の外壁が崩れ落ちて、危険なのですべてはがしてしまい、今はむき出しになっている。
内装を見ると家中のボードの継ぎ目にひびが入り、コンセントやスイッチはユニットごと飛び出している。
玄関の引き戸は倒れこんでガラスがふっ飛び、ひしゃげて閉めることが出来なくなっている。
裏手のブロック塀が10数mに渡り、斜めになり倒れかけているのが恐ろしい。

瓦はさすがに懲りたらしく、洋風のものに変えられていた。
とりあえずはその工事だけ行い、雨漏りで水が入り込むのをとめた。
この後家屋の下にジャッキを入れて持ち上げ、水平に戻す予定だという。
いつまた大きな余震が起きるかわからないので、それ以上本格的な作業が出来ないでいるのだ。

外の電柱が倒れかけて斜めになり、家につながっている電線がピンと張ってしまったのだが、大きな余震の際にその電線が家を引っ張り、とんでもなく揺れたという。
そのため東電に連絡して、すぐに電線を緩めてもらった。

下に断層が走っているために被害が大きくなったという。
この部分が断層だと、家の前の道のアスファルトが大きく痛んでいるところを指差して義兄が言った。
そんなにピンポイントで断層がわかるものと初めて知った。
皮肉なことに庭に建っている納屋は、断層から数mずれて、岩盤の上に乗っていたために被害が無かった。
建物を見ていると呆然となるが、義兄はもう笑うしかないという表情で説明してくれた。
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