イワナ


D3X + PC-E NIKKOR 24mm F3.5D ED

大きな画像

僕が撮影に夢中になっている間、Mrs.COLKIDはひとりで行動していた。
先に階段を上っていき山奥の神社を見て周り、三脚をセットして写真を撮っている僕の横をすり抜けて、ひとりで下りて行ってしまう。
そろそろ待ちくたびれて怒っているかな・・と思いながらも、僕はかなりの時間を撮影に費やした。

機材を背負って山から下りてみると、Mrs.COLKIDが滝の落ち口を覗き込んでいる。
何をしているのか尋ねると、魚が泳いでいるという。
斑点のある魚がいるが、何という魚かと聞くので、よく知らないがマスの一種ではないかと答えた。
お義父様が生きていたらすぐに教えてくれるのに・・と残念がる。
あなたといると時間が余るから、今度は釣竿を持ってこようかしら・・などとうそぶく。

カニが歩いているのも見たという。
カニは何を食べるのかというので、昔お店で売っていたサワガニにはご飯粒を与えたが・・と答えた。
スルメに紐をつけて垂らせば釣れるかしら・・などと言っている。
どうやらカニも捕獲したいらしい。

家に帰ってから調べたらしく、いきなり僕の部屋に来て、「あれはイワナという魚だわ」と言った。
へー、イワナがあんなところにいるんだ・・
イワナは悪食で有名なんだよ。
口からヘビを飲み込んで、お尻からヘビが出ている有名な標本がある・・・んだ。
そこまで言って、禁句のヘビの話をしてしまったことに気付いた。

「・・・それで・・そのイワナは死んでしまったの?」
「うん・・まあ・・その状態で生きているわけはないね」
「・・・・・」

やはりその話がトラウマになったらしく、翌日はお尻からヘビの頭が出たイワナの姿を想像して一日中苦しんだようだ。
コメント ( 0 ) | Trackback ( 0 )

勝道上人


D3X + PC-E NIKKOR 24mm F3.5D ED

大きな画像

東照宮の裏手の細い道を進むと、ほどなく開山堂が見えてくる。
ここには勝道上人の墓所がある。
記念碑かと思ったら、実際に遺灰を移してあるという。

勝道上人といえば、苦労の末男体山に登頂し、日光を開山した伝説の人であり、この地にとってはスーパースターである。
それにしては扱いが地味過ぎるとMrs.COLKIDはいう。
まあ徳川よりこちらを上にするわけにはいかなかったのだろう。
苔に覆われた墓石は味わいのあるものだが、大木に押されて石の囲いが一部壊れかけている。

しかしそのひっそりとした佇まいは、俗化されていない原始の姿を思わせ、かえって貴重なものとなっている。
ひと気が少ないことが幸いし、観光地ではない日光を見ることが出来るのだ。
恐らくここに祀られた修行僧たちも、この静けさを好んでいることだろう。
霊感のない人でも、ここでひとり時間を過ごせば、何かの存在を感じることができる。

ここまでの坂道は、車がすれ違うことの出来ない細い道で、時折数人の旅人が連れ立って上ってくる。
道をさらに進むと、滝尾神社、白糸ノ滝へと続いていく。
コメント ( 0 ) | Trackback ( 0 )