シネマ日記

超映画オタクによるオタク的になり過ぎないシネマ日記。基本的にネタバレありですのでご注意ください。

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笑の大学

2013-02-15 | シネマ わ行

三谷幸喜の脚本の舞台作品だということは知っていて、すごく見たかったのですが、舞台で見られる機会がなくて悔しい思いをしていたら、ケーブルテレビで放映があるというので見てみました。ケーブルテレビの放映を知るまで、この作品が映画化されているということを知りませんでした。

昭和15年戦時下の日本。演劇はお上の検閲を通らないと上演できなかった。劇団「笑の大学」の座付作家・椿一稲垣吾郎は検閲官・向坂睦夫役所広司の面談を受けていた。

基本的には、椿と向坂の二人しか登場しない密室劇で映画化されるにあたって、少し別のシーンも加えられているが、おそらく舞台では完全に面談室で二人だけのお芝居なのだろう。

まず、椿が持参した脚本は「ジュリオとロミエット」。言わずと知れた「ロミオとジュリエット」のパロディものの喜劇だ。しかし、向坂に敵国イギリスの作品を使うとは何事だと舞台を日本に変更するよう命じられる。そこで、翌日椿はロミオとジュリエットを寛一お宮にした脚本を持ってくる。舞台がイタリアから日本に移ったことから、予期せぬ笑いが生まれ脚本は逆に良くなる。その後も向坂からどこかしら指摘を受けるたびに、書き直すという作業が数日続き、そのたびに脚本が面白くなっていくという皮肉な結果が生まれてくる。

向坂は今まで生きてきて心の底から笑ったことなどないという堅物。逆に椿は何を書かせてもついつい笑いの方向へ走ってしまうという根っからの喜劇作家。この二人が噛みあうはずがない。最初はそのズレが笑いにつながっていくのだが、途中からだんだん向坂に変化が現れる。何を読んでも何を見ても笑わなかったはずの向坂が、なぜか脚本の直しに必死になるようになる。椿のペースに乗せられて一緒にセリフを言って体を動かして、新しいアイデアまで出し始める。最初は完全に上演中止に追いやるつもりだった向坂が妙にイキイキし始める中盤からがまた面白い。

三谷幸喜独特の脚本だから、好き嫌いは別れるところだと思うし、四六時中笑っているというより、時々くすっと笑いが来るっていう感じなんだけど、登場人物がほぼ二人だけという心地よい緊張感もあってあっという間に時が流れる。

これを見ていると、あ~三谷幸喜って本当に喜劇が好きで好きでたまらないんだなぁって思う。ある意味では、この作品の中には彼の喜劇作家としての極意が詰まっていると考えてもいいのかもしれない。

もちろん、戦時中のお話ということは分かって見ているのだし、戦時中だからこそ成り立つ設定なんだけど、最後にあんなサプライズが待っているとは思いもしなかった。なんか気を抜いていたというか。。。あ、そうか、そういう展開ももちろんありえるんだ、ってちょっと抜け殻のようになってしまった。そして、不覚にも本気で泣かされてしまったよ。なんかねー、別に三谷幸喜の脚本すべてが好きなわけじゃないし、妙に鼻につくところもあるにはあるんだけどさ、それでもその作品を見ると喜劇だけど泣けるっていうねー、こういう人情喜劇を書ける人っていうのは本当に貴重だなぁと思いました。


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