シネマ日記

超映画オタクによるオタク的になり過ぎないシネマ日記。基本的にネタバレありですのでご注意ください。

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愛についてのキンゼイレポート

2005-08-29 | シネマ あ行
んんんー。どうなんですかね…この映画…キンゼイという学者がそれまでのタブーを破って「性」に関するアンケートを行い、彼はある素敵な結論を導き出す…というコピーに魅かれてリーアムニースンが主演なこともあり、見に行きたいと思ったのですが…

まず邦題ですが、「愛についての、、、」というのはちょっとなー。「セックスについての」が本当だけど、それはあまりにもストレートすぎたか。
映画としては面白いし、物語の展開には飽きることなく最後まで見れます。が、、、

ワタクシ個人としてはこのキンゼイ博士にいい印象を持てなかったんですよね。それまでのタブーを破って、「性」に関する大調査を行ったり、若者の性の悩みに答えたりすることには好感は持てました。やはり、正しい知識を持たずにむやみにタブー視するだけというのは良くないと思うし、「性」というのはやはり人間生きていく上でフタをしてばかりはいられないものだと思いますしね。

ただ、彼が破ろうといていた“道徳観”というものと“愛”と呼ばれるものを彼は混同してしまっていたんじゃないかなと感じました。ネタバレになりますが、彼が助手ピーターサースガードと浮気したり、同じ助手と自分の妻ローラリニーに「したいならすればいい」と言ってセックスを薦めたり、助手の間でスワッピングしたり…っていうのは、既成概念を打ち破るための行為。と言われても納得できない何かがワタクシの中にはありますね。 「パートナーを傷つけたくない」という気持ちを“愛”ではなくて一夫一婦制に縛られた道徳観だと言われてしまえば言い返す言葉はありませんが…

結局は妻の気持ちまでも奪った同僚ティモシーハットンと殴り合いをする助手クリスオドネルに「あなたは冷酷だ」と言われたキンゼイ。この助手がワタクシの思うキンゼイ像をすべて物語っていたような気がする。そして、これと同じようなセリフは彼の妻からも別の助手からも聞かれる。やはり、人間はそこまで感情を完全に排除してセックスだけを楽しむというのはセックスをするだけではない特定のパートナーがいる場合、非常に難しいのではないか?キンゼイが思い描くようには人の心はできていないような気がする。このあたりの状況を見ていると、「性」に関する研究をしている本人たちが「性」に溺れて操られてしまっているような感じがした。「オープン」ということと「何でもアリ」ということは違うんじゃあないか?

おそらくキンゼイの“道徳観”を打ち破りたい気持ちは保守的で頑固で息子のことを認めなかった父親ジョンリスゴーに対する反抗心から来ていたものだったんでしょうね。この父親の少年期の「性」に対するつらい思い出を聞くまでは。このあたりからキンゼイは少し“愛”について分かり始めたのかな。妻とのラストシーンからも“愛”というものを感じることはできますね。それに気付くまでに随分遠回りして色んな人を振り回したなぁ…という印象がものすごく残りました。

おそらく彼のした調査っていうのは、現代のワタクシたちにも通じるものがあるんではないでしょうか?キンゼイが言っていた「それぞれみんなが違うのに一緒じゃないと駄目と思うのは間違っている」というメッセージは今の世の中でも同じことが言えると思う。最後のほうで出てくる同性愛のおばさんが「勇気を持って生きれたのはあなたのおかげ」というシーンには涙しそうになった。彼の調査にかける情熱によって振り回され傷ついた人もいれば、救われた人もいただろうし、それを逆手にとって利用した人もいただろう。良いとか悪いではなくて本当に自分の信念を信じて突っ走った人だったんだろうなぁ。

オマケ妻役のローラリニーがところどころで意味深な表情をしています。夫が助手に魅かれていることが分かっている場面とかではその表情の意味は分かるのですが、特にそんなこともないシーンでもやたらと意味深な表情が目立ちました。夫のやることなすことに「あきらめ半分」という顔だったのかな?真相は分かりませんでした。どなたか教えてください。
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愛についてのキンゼイ・レポート (ネタバレ映画館)
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「愛についてのキンゼイ・レポート」(2004) (MY HIDEOUT~私の隠れ家~)
\"KINSEY\"監督・・・ビル・コンドン出演・・・リーアム・ニーソン、ローラ・リニー、クリス・オドネル、ピーター・サースガード、ティモシー・ハットン、ジョン・リスゴー、ティム・カリー、オリヴァー・プラット、ディラン・ベイカー、他。・物語序盤・1940年代のアメリカ.