シネマ日記

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大統領の執事の涙

2014-02-14 | シネマ た行

実在したホワイトハウスの黒人執事の人生を描いた作品。試写会に行って参りました。

綿花畑の奴隷の子として生まれたセシルゲインズフォレストウィティカー。母マライヤキャリーは雇い主の白人アレックスペティファーに手籠めにされ、父は射殺された。そんなセシルに同情してか女主人ヴァネッサレッドグレーヴは彼を“ハウスニガー”にする。外で農作業をしなくてもよくなり、セシルは家の中の小間使いとして仕事を覚えるようになる。

青年になり生まれた家を出たセシルは“ハウスニガー”としての経験を生かし、ホテルで働くようになる。そこでの働きを認められホワイトハウスの執事としての仕事の声がかかる。

アイゼンハワーからレーガンまで7代の大統領に仕えたセシル。ホワイトハウスでは優秀な執事として重宝されていた彼だったが、家庭の中には嵐が吹いていた。

長男ルイスデヴィッドオイェロウォが反抗期になったころ、世間では公民権運動のきざしが見え始めていた。ルイスは白人に仕える父親の職業を恥じるようになり、家を離れ南部の大学に進学することになる。そこでルイスは公民権運動に没頭し、「フリーダムライド」に参加し刑務所に入れられたりするようになっていった。そんな長男の姿を見て妻グロリアオプラウィンフリーはアルコールに手を出すようになり、次男はベトナム戦争に志願して戦死してしまったりとセシルの家庭はボロボロの状態だった。

一度は身も心も離れてしまったかのように見えたセシルとグロリアの夫婦だったが、次男の死の悲しみを乗り越え夫婦の危機も乗り越えた。しかし、長男ルイスはキング牧師的な運動のほうからマルコムX的な運動に傾き始めブラックパンサーに籍を置いていることを知ったセシルはルイスを勘当してしまう。

ルイスは一度はブラックパンサーに在籍するも、彼らの過激さについては行けず、政治家の道を目指し平和的なデモなどを行うほうになるがセシルはなかなかルイスを許せないままでいた。

というのが、セシルの家庭側の話でこれにセシルの近所の人、仕事場の人間関係、ホワイトハウスでの大統領たち。と色んな話が絡んできてセシルの子ども時代から7代の大統領分ですから、132分というのがちょっと長いけど、まぁなんとか頑張ってまとめましたという感じ。

まぁなんと見どころがたくさんあり過ぎて大変です。ワタクシは題名からホワイトハウスの中の話のほうがメインになると思っていたので、ここまで公民権運動の話とは思っていなくて期待とは違った作品でした。それはワタクシが勝手に想像していただけなので、それで減点するのはフェアじゃないなとは思いますが。

ホワイトハウスの中の場面ももちろん作品の半分近くの時間が費やされてはいるのですが、それも大統領との心温まるエピソードとかは少なくて、その時の大統領が公民権に対してどのような態度だったかを示すシーンが多かったと思います。ちょっとアメリカの近代史、特に公民権運動について知識があったほうが楽しめるでしょう。

せっかくなので大統領を演じた役者を挙げておきます。

アイゼンハワー大統領→ロビンウィリアムス。アイゼンハワーはどんな感じの人だったか知らないので似ていたかどうか分かりません。

ケネディ大統領→ジェームズマースデン。若々しい颯爽とした雰囲気が合ってました。

ジョンソン大統領→リーヴシュライバー。もっと年齢が高い役者が演じるイメージですが、違和感がなかったのはやっぱり彼のうまさかな。

ニクソン大統領→ジョンキューザック。外見は一番似ていませんでした。外見だけじゃなくて全部あんまり似てなかったなー。ジョンキューザックって人が良さそうに見えるからニクソン大統領の狡猾そうな雰囲気がなかったです。庶民的な雰囲気はありました。

レーガン大統領→アランリックマン。上の2人も意外なキャスティングですが、彼が一番意外でしたね。ちょっと笑えた。

ナンシーレーガン→ジェーンフォンダ。大統領たちがかなりの特殊メイクで頑張る中、彼女が一番ナチュラルに似ていたような。ナンシーがレーガンを尻に敷いている様が面白かったです。

ナンシーレーガン以外は外見は似ていないけど、雰囲気で似せようとしている感じでした。

余談ですが、ケネディ政権時代にセシルがケネディの娘に絵本を読んであげるシーンがあって、「あれがあのいま駐日米大使のキャロラインさんだー」と気が散ってしまいました。

いまテレビでCMを見る限りかなりホワイトハウスの内幕もの的に宣伝されていますが、実際は公民権運動の話のほうに重きを置いていますので、それを念頭に見ると良いと思います。


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