シネマ日記

超映画オタクによるオタク的になり過ぎないシネマ日記。基本的にネタバレありですのでご注意ください。

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血と骨

2005-08-22 | シネマ た行
このところヘヴィなものを見る気になれず、この作品も話題にはなっていたけど、手をつける気になれなかった。特に、身近な暴力を扱ったもの(いや、それがテーマではないけど)だし、和製(朝鮮人という設定だけど)のものとなるとなおさら変にリアルなのがイヤで見ていなかったのだけど、父親に薦められて今回見てみた。

とにもかくにも、役者たちがスゴイ。ビートたけしは本当にめちゃくちゃ恐かった。この人のキャスティングは絶妙だった。途中の裸のシーンなんかではハーベイカイテルを思わせたなぁ。最後のあたりの爺さんになってからは、ちょっとだけ彼のコントを彷彿とさせる危険性もあった(!)けど、それもそこに至るまでの恐さでカバーしたという感じか。あとから考えると彼以外にこの役をできる役者が他にいただろうかとさえ思わせる存在感があった。「本物の親父を見てるようで恐かった」とまで原作者に言わせるのだから、現場でも相当の迫力があったに違いない。

そして、みんな大阪弁がうまいのには本当にビックリした。どこの地方のものでもそうだろうけど、やっぱり大阪人としては、大阪弁が下手な芝居はもうイライラして仕方がない。もうそうなると、ストーリーにちっとも入り込めなくなる。今回も見る前はそういう不安もあった。しかし、だ。もちろん、関西出身の出演者もいただろうけど、全員非常にうまかった。たけしはちょっとごまめで許そう。奴の演技はもうそんなもの以上だから。

大阪弁以外にもみんなの体当たり演技が物を言うのだけど、ワタクシが個人的に好きな鈴木京香が凄かったと書きたいところだけど、彼女はいつも通りだった。うまいのは言うまでもない。でも、そこまで。彼女は汚れた役でもやはりキレイで、その線も崩しきってはいなかった。スゴイのは濱田マリ。この人、女優でもなんでもないのに、ここまでやる必要があったのか?と思ってしまうほどだった。まぁ、女優でもなんでもないからこそ何のリスクもなくできたということなのかもしれないけど。

残念だったのは、ストーリーが少し希薄に感じられたこと。原作を読んでいないので、何とも言えない部分があるけど、なんか物足りなかった。全体的な迫力は役者の演技とそれを引き出した監督の手腕から来るものだということは分かるけど、脚本としての深さはあんまり感じなかったなー。あれだけの人生を全部詰め込もうと思えばあーいうふうになってしまうのは仕方ないのかもしれないけど、迫力だけでゴリ押しした感があった。もう少し、この父親の若い頃の体験(日本に渡ってからどんなふうにやっていたかなど)を見せてくれたら、この人の人格形成の部分が見れて興味深かったかも。(それは原作にもないのかな?)そして、手込めにして女房にしたわりには、自分の妻には冷たく、子供のできなかった愛人は脳腫瘍で付随になっても面倒を見続けたことなどの理由も描かれていなくて不可解だった。(まぁ、そんな不可解な人だったのかもしれないけど。)

この父親のパーソナリティに主人公はじめ、周りの人間全員が振り回された感覚となんとなく似てるというかな。脚本までが彼のパーソナリティに振り回されてしまったということか。

オマケオダギリジョーがしている背中の“もんもん”が非常に美しくてビックリしました。あーいうメイクの技術の向上って目を見張るものがありますよねぇ。



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8 コメント

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燕多 (As Time Goes By)
2005-08-22 21:38:53
トラックバックありがとうございました。よくたくさんの映画見てらっしゃいますね。僕もこれからのぞかせてもらいます。お気に入りに登録させてください。これからもよろしく。
燕多さんへ (coky)
2005-08-23 09:41:09
はいありがとうございます。こちらからもさせていただきます
Unknown (squall126)
2005-08-23 17:18:09
トラックバックありがとうございました。

たくさん映画見てますね。

映画評もとても面白いです
squall126さんへ (coky)
2005-08-24 09:19:47
コメントありがとうございます。



ここ何年かは少し見る本数が減りましたが、以前は年に300本以上見ていました。基本的にインド映画とホラー以外なら何でも見ます。
はじめまして (日進月歩亀さん歩き)
2005-08-25 00:20:16
トラックバックありがとうございます。



たしかにこの映画…展開がダルい気がしました。

鈴木京香さんは私も好きですよー。

以前「サトラレ」の映画を観たときも、バッチリとハマっていて感動しましたし。



濱田マリは私もビックリしましたね。

あそこまでやるか…と。(;^^



豚の解体シーンとか蛆虫をはらって食らう所とか、妙にリアルでした。
日進月歩亀さん歩きさんへ (coky)
2005-08-25 09:07:54
コメントありがとうございます。



豚の解体シーンはエグかったけど、なんか妙に感心したというか、変な感動を覚えてしまいました。動物が殺されるシーンに感動したわけではないです、決して。ただ、あの時代の人たちの強い生命力をすごく感じたんですよね。



蛆虫はらって食べるのはいただけませんけど。愛人にむりやり食べさせようとするとことかかなりキツかった。
Unknown (間諜X72)
2012-07-21 12:14:52
去年レンタルでこの映画を見ました。
ビートたけしの演技は凄かったです!
彼が本当にああ言う人なのかと思うぐらいでした。
たけし映画(この映画では彼は監督ではないけど)の常連寺島進も凄かった。
彼に追い詰められて自殺する娘を演じた田畑智子。
名前は忘れたけど、愛人役の女優(実は東京外大卒の才媛!)。脳内出血(?)で体が不自由になり窒息死させられる。
すごい場面が多かったです。
鈴木京香の老け役。おばさんパーマが妙に合ってました。
間諜X72さま (coky)
2012-07-25 11:18:19
たけしのことを知らなければ完全に怖い人認定されるような役柄でしたね。
出演者全員がキャリアを投げ打つような演技でしたよね。
この作品のことを考えると息苦しくなってくるような気さえします。

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