シネマ日記

超映画オタクによるオタク的になり過ぎないシネマ日記。基本的にネタバレありですのでご注意ください。

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メメント

2006-08-18 | シネマ ま行
10分間しか記憶がもたない男ガイピアースの話である。この男の記憶に合わせて10分ごとにシーンが振り返られていく。”時間軸が交錯している”と表現するのとは少し違う手法だ。まずはA地点からB地点までのお話が10分間語られ、B地点まで到達すると今度はA地点よりさらに10分間さかのぼったZ地点から最初のA地点につながるところまでが語られる。そしてA地点まで到達すると今度はまたZ地点の10分前であるY地点から話が始まりZ地点までが語られる。という裁縫で言うと半返し縫いだか本返し縫だかのように物語が進んでいくというこれだけ読んでもワケが分からんと思うけど、見始めたときもなんだかワケが分からん。でも、懸命についていくとだんだんその手法にも慣れてくる。

この全身刺青だらけの男。記憶がもたないからメモを残すが、重要なことは自分の体に刻んでいる。気味の悪い男だ。それもそのはず、この男は妻を殺した犯人を殺すという復讐を目的とし、それだけを頼りに生きている。それに絡む刑事ジョーパントリアーノと女キャリーアンモス。彼らはそれぞれ何者なのか?それもこの変な男の変な記憶を変な手法でさかのぼる中で見えてくる。

物語もさることながら、やはりこの手法。これに尽きる。このように新しい手法というのは時として「実験的」だから許されたり、観客は途中から監督の自己満足を見せ付けられるだけということになりがちだが、この作品ではかつてないやり方で、きちんと観客をないがしろにせず、エンターテイメントとして成り立っているところが、クリストファーノーラン監督の素晴らしいところではないだろうか。

そして、その記憶をたどるという軸と平行してこの男が語るサミーという男の話にも観客は聞き入ってしまうし、後半は最初に話した10分ごとの軸を忠実に守ることもなくなって一気にクライマックスに進むんだけど、そこできちんとされるタネ明かしもワタクシには嬉しい誤算だった。だって、ほらこういう手合いのやつには多いでしょ?結局何だったの?ってやつ。でも、これはちゃーんとタネ明かしされますからね。安心して見てください。ただ、やっぱりボーッとしててはダメですよ。ほんとにワケ分かんなくなりますから。

キーワードは「やっぱりコイツ、ほんとに忘れます」です。

オマケ特にファンというわけではないけど、「L.A.コンフィデンシャル」から一気に活躍するかと思われたガイピアースがこの作品くらいまでは元気だったけど、ここんとこあんまり元気がないのが残念です。

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6 コメント

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Unknown (curious mama)
2006-08-18 21:51:14
こんばんは。



「メメント」面白かったですね。「記憶がもたないブーム」の中では秀逸でした。記憶がもたない人を外から見ても、迷惑だったり、気の毒だったりするだけですが(笑)この映画は記憶がもたない人の感覚を一緒に味わうことができるので、とても気に入りました。
curious mamaさんへ (coky)
2006-08-21 14:57:10
>記憶がもたない人の感覚を一緒に味わうことができる



そうでしたね。

「酔ってないぞ」とか「この男を追ってるのか?」「追われているんだー」とかいうところはちょっとコミカルでありながらも、彼と同じ感覚を味わうことができるシーンでしたね。
またコメントします (あかひ)
2006-11-25 20:25:22
またもしつこくコメントしています、そろそろ嫌われないかな?と不安になってきました。
この映画も誉めてるばっかりの人が多くて正直に言うのが怖かったのですが・・。手法は面白かったし最後まで魅せますよね~。しかし結局は「この主人公まず病院に行った方が良いのではないか?」と心配しました。どう転んでも救いが無いです。
面白かったのは確かです、楽しめました。
ガイ・ピアース私も気になってました。最近は前ほど元気ないし。
いくらでもどうぞ (coky)
2006-11-27 11:40:06
いえいえ、いくらでも遠慮なくコメントしてくださいね。

>「この主人公まず病院に行った方が良いのではないか?」

ははは。その通りですね。思いつきませんでしたでも病院に行っても、自分で行ったことを忘れて…みたいな展開になるんですかね。

先日地方テレビで見ました。 (間諜X72)
2013-06-20 07:50:57
新しい記憶から辿っていく。
こう言う手法。昔、マンガで見た事があります。
公開当時、斬新な映画だったでしょうね。
ガイ・ピアースよりもジョー・パントリアーノの方が印象に残りました。
「彼の死が物語の始まりであると同時に結末でもある。」
そうなんですよね。
間諜X72さま (coky)
2013-06-20 14:42:10
マンガでもあったんですね。
マンガだとちょっと分かりにくくなったらもう一度読み返せますが
映画だとそうはいかないのでついて行くのが大変ですよね。
ジョーパントリアーノは脇役ながらいつも強い印象を残す役者さんですね。

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