シネマ日記

超映画オタクによるオタク的になり過ぎないシネマ日記。基本的にネタバレありですのでご注意ください。

トータルリコール

2012-08-27 | シネマ た行

1990年にシュワルツェネッガー主演で映画化されたほうはテレビで見たと思うんだけど、なんかヘンテコな人が出てくる映像のほうが印象深くて詳しくはちょっと覚えていません。あまりSFファンではないので原作も読んでいません。というわけで純粋に今回の映画の感想ということでお読みください。

最初公開されることを知った時にはあまり興味がなかったんですが、途中でキャストを知ってケイトベッキンセールジェシカビールが出ているというのでちょっと興味が湧いて、どこかで読んだ記事でこの二人がなんと殴り合うって言うじゃないですか。ケイトベッキンセールとジェシカビールが殴り合うんだったら見に行かねば!とここがポイントで鑑賞を決めたのはワタクシくらいじゃないかと思いつつも見に行くことにしました。

世界が富裕層が住むブリテン連邦と貧困層が住むコロニーの2つだけになった近未来。コロニーに住むダグラスコリンファレルは毎晩、知らない女性(ジェシカビール)とともに警察を相手に戦い離ればなれになってしまう夢に悩まされていた。ダグラスは好きな記憶を植え付けてくれるという「リコール社」に出向き、自分の夢と同じスパイとしての記憶を体験しようとする。装置が起動する瞬間、警察が乗り込んできてその場にいた全員を射殺。ダグラスは自分でも気づかないうちにものすごい戦闘能力を発揮して警察全員を殺して逃亡。家に帰ると妻ローリー(ケイトベッキンセール)にも襲撃を受け、必死で逃亡する。追い詰められたとき助けてくれたのが夢でしか会ったことのないメリーナ(ジェシカビール)だった。

ダグラスが妻と結婚して貧しいながらも幸せに暮らしていたと思っていたのはすべて植え付けられた嘘の記憶で、本当はダグラスはハウザーという名前でブリテン連邦を転覆させようと革命を起こしているコロニーの集団の英雄的存在だという。

自分とは何か?とか、自分が持っている記憶を信じられるか、何を誰を信じたらいいのか?自分が愛しているのは本当は誰なのか?という疑問が渦巻き、非常に哲学的なテーマをはらんでいる物語であると思うのだけど、この作品に関して言えば、そういった哲学的な部分は横に置いといて、という感じでダグラスが眠っていた戦闘能力を発揮してからはもう怒涛のアクションの連続です。近未来ですから当然空飛ぶ車でのカーチェイス、前後左右に動く何台ものエレベーターの合間を縫って行く逃亡シーンなど、息もつかせぬアクションでぶっちゃけSF映画ってことはもう忘れそう。

コロニーの反政府軍を率いるリーダーとして登場したビルナイがあっけなく殺されたのはもったいな過ぎる使い方で、あそこの部分は植え付けられた真実でない記憶であってほしいと願ったけど、どうやらそうではないようだった。

期待していたケイトベッキンセールとジェシカビールの殴り合いについては、狭いエレベーターの中でドカドカと殴り合ってくれちゃって満足でした。ニセの妻(ケイト)が「私にキスをしたダグラスの唇にあなたもキスしたの?」と挑発すると真の恋人(ジェシカ)が「あの女ぶっ殺してやる」と応えるシーンではちょっと噴き出してしまいそうになるほど楽しかったです。女性が妙に強くてコリンファレルの強さが霞んでしまうほどでした。

ガンガンのアクションの中でもう少しドラマ部分に厚みをもたせてくれたら、原作や以前の映画化作品とはまた別の良い作品になっただろうと思うのですが、ドラマ部分が少し印象薄めだったのが残念なところです。



「映画」もいいけど「犬」も好き。という方はこちらもヨロシクです。我が家の犬日記「トラが3びき。+ぶち。」