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鼓曲萬来

ダウジングドラム


ハルヲフォンを止めて
六本木のスーパースターに入っていた頃
毎月隔週金曜日、、先輩たちがC&Wを演奏する日があったんだ

本当に皆優しい先輩達で、可愛がって貰ったのだが、...
そのバンドのドラマーはなんと田辺昭知さん(スパイダース)、...
そしてもう一人がサタンさんだった。
 
サタンさんは東京ビートルズという日本でも本当にROCK創世記のドラマーで、
顔がサタンぽいのでそういう仇名だったけど...本名は知らない。

で、いつも不思議に思ってたのは、サタンさんのスティックの数本はチップ..
つまり先の玉が削りとられてあって...なんというか鉛筆のようになっていたのだ。
 
あるとき、緊張しながらも僕はサタンさんに尋ねた
「サタンさんのスティックってなんで先が細くなってるんすか~?」
 
するとサタンさんは急にあたりを見回して、僕に
「しーっ!!よしみちょっと教えてあげるから外に出て来い」...
そう言って僕を外に連れ出した。
 
で、言うには「これはな...ドラマーが何年かかっても到達出来ない極地なんだ...
そうだな、特別にお前に教えといてやろう」 
サタンさんはそう言って僕からせびったタバコに火を着けた
フ~っ!
 
「いいか、ドラムのシンバルとかスネアとかはな..いわゆるスイートスポットというか...
最高に良い音で鳴る場所があるんだ、
その場所をリハの時にこのスティックで探るんだ」
 
「え~っ!まじっすか?」
「本当だ、ためしに1セット貸してやるから次演奏する時やってみな...。」
 
で、次のステージで演奏する前に試したら、
なんとシンバルの上にかざした撥は自然に動いて、
一点を指し示したのだ!お~っここか!
 
で、実際に演奏したら、心なしかそこは音が確かに良いのだ。
サタンさん!ありがとう!
 
で演奏後に、歌の清野太郎さんにサタンさんから凄い事教わりました!
と言ったら清野さんはこう言った
「また、あいつ....そんな事後輩に言ってんだ...
違うよ!あいつのドラム、シンバルとかハットとか
音でかくて煩いから削らせたんだ」.......

.......違う....サタンさんは凄い!.....

 まあ、あれからもう何十年も沢山の後輩達のドラマーがいたけど、
この極意だけは教えていない。
伝えるにふさわしい、つまり目にかなったドラマーがいれば伝えようと思う。

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