What A Wonderful World

毎日の暮らしの中で、心惹かれたことを語ります。

『坂木 司リクエスト! 和菓子のアンソロジー』

2013年05月01日 10時06分45秒 | 図書館で借りた本
 今日から五月ですね~。連休の中間ですが、お休みの人もお仕事の人もいろいろおられるんだろうなぁ。

うちでは、主人がとうとうカレンダーどおりに休めるようになりました。ずっと仕事が多忙で土・日も祝日もナニソレ?状態が続いていたんですが、震災から二年が過ぎてだいぶ状況が落ち着いたなぁと、実感しました。だからって、温泉や行楽地に行けるわけじゃないんですけど(苦笑)

次男は、お休みの間も相変わらず部活がずっとあるんですけど、長男が今年ある高校の吹奏楽部のOB&OG演奏会の打ち合わせに、明日帰って来る事になって、ウキウキしています。三日は居るそうなんですけど、寝る場所が無くて~。実質「廊下」状態の部屋に寝るのは私なんで、カーチャン的には凹。ようやくストーブをしまっても大丈夫そうな気温になったんで、そのへんは良いんですけど、みんなトイレに行く時に、寝てるカーチャンを踏まないでね~。



 前置き長くなりましたが、本題の『坂木 司リクエスト! 和菓子のアンソロジー』(光文社)の感想を♪

巻末を読んでわかったんですが、これは2012年に「小説宝石」に連載されたお話をまとめたものだったんですね。普段、小説誌をほとんど読まないのでまったくのノーチェックでしたが、こんなに面白い短編が掲載されるんだもん、今度は図書館で小説誌も借りてみようと思います。

・坂木 司 『春告げ鳥』

 待ってましたー!『和菓子のアン』の続編なお話。主人公のアンちゃんこと杏子ちゃんの成長のお話でした。この勢いで、どしどし続編を書いて下さい坂木さん!

・日明 恩 『トマどら』

 性別にかかわらず、カッコイイ、男前、漢、な人物造形には間違いのない日明さん。このお話も、なかなか複雑なお話なんですが、にやにやしてしまいました。でもごめん、「トマどら」は私には無理です。

・牧野 修 『チチとクズの国』

 今回いちおし!なお話。単に、私が牧野さんの既読作品から、どんなお話になるかまったく想像できなかったんで、良い意味で裏切られた!と感動したんです。読み終えてみれば、やっぱりな牧野さんワールドでした~(笑)幽霊(とかじゃく「死霊」と書きたくなるのが牧野作品)との会話での、言葉の選び方がやっぱり巧い。

勝手な妄想ですが、私も死んだらすぐには成仏しないだろうと思っています。だいぶ前に、心配のあまり様子を見にウロウロすると思うんだ~と子どもたちに言ったら、すっごく真剣に嫌がられました(爆)

・近藤 史恵 『迷宮の松露』

 近藤さんの書かれるお話には、熱風と乾燥と砂が良く似合うと思います。

・柴田 よしき 『融雪』

 この作家さんの作品は未読でしたが、昭和の作家さんの作品の様な巧さを愉しみました。献立を考える描写は、あ~、判る判る!この今ある食材を工夫する感じ!まったくレベルの違う(笑)料理を作る身ですが、お菓子作り以上に共感しました。

・木地 雅英子 『糖質な彼女』

 この方も作品は未読な作家さんでしたが、あぁ、なるほど、そういう事かとお話のテンポよい流れを愉しみました。

・小川 一水 『時じくの実の宮古へ』

 小川さんの短編がすっごく好きです。恒川さんもそうですが、一瞬で異世界に飛ばされ、飲み込まれる感覚がたまらんです。「宮古」ですが、最初勝手に脳内で、「岩手県宮古市」をイメ-ジしてしまい、失われた宮古をめざす?→あぁ「都」をめざすか!と、まったくお話の本筋を誤解していました(汗)

・恒川 光太郎 『古入道きたりて』

 しめった草の匂い、黒土の匂い、かそけく響く鳥の声、月光に照らされて浮かぶ深い森。一瞬でお話に飲み込まれる心地良さ!さすがの恒川さんなお話です。作中「あんころもちが喰いてぇだ(by まんが日本昔話)」というナレーションが頭の中に聞こえます(笑)デビュー作『夜市』のような純日本の空気、最近の沖縄を題材とした小説の描く空気、どちらも凄く表現が巧い作家さんだと思います。

・北村 薫 『しりとり』

 安定の北村作品。格調高いです。

・畠中 恵 『甘き織姫』

 『しゃばけ』などで人気の作家さんですが、私はまったく読めないんです(苦笑)今回の人物設定(男性も女性も)が、微笑ましい関係を狙って書かれているのはわかるんですが、ウザッ!と感じてしまう。たぶん、合う人には気持ち好いんだろうとは思います。
コメント (2)
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