What A Wonderful World

毎日の暮らしの中で、心惹かれたことを語ります。

図書館で借りた本

2008年11月15日 11時04分03秒 | 図書館で借りた本
 上橋菜穂子さんの「守り人」シリーズを借りようと思ったら、見事にあちこち抜けているうえに肝心の「精霊の守り人」がありませんでした~(がっかり)ま、これも図書館で本を借りて読む醍醐味ですから、ゆっくりシリーズ制覇したいと思います。


○スティーヴン・キング 「リーシーの物語 上/下」 (文藝春秋)

 これは外道読みができない(笑)S・キングのお話はゆっくり言葉を噛み締めて読むのが味わいなので、じっくり読み進めたいと思います。

ぱらぱらっと中身を見たんですが、この内面の狂気を表現するのに、架空(当人には見えるし触れる存在だから、架空ではないんですが)の場所や人物を現実世界と紙一重に書いていく手法、「自分にしか」見えないモノや聴こえない音が、自分の正常なラインからの逸脱を体感させて、いっそう追い詰められる様子を描くのが、近年ますます巧くなってきてますよね。


なんちゃって一晩で読んじゃいました~(笑)私の一番好きな「ローズ・マダー」を思い出させる流れでしたが、誠実な夫婦愛がメインなのが真逆でした。なんかも、何べんも繰り返して読まされる一冊です。

「小説家が主人公の小説」で、ほぼ秀作なように思います。この間読んだ雫井脩介さんの「犯罪小説家」もそうですが、一般の題材よりも私的な部分がどうしたって多く含まれるだろうと、読者が思うように書かれてたりして、作家さんの創作のギミックがふんだんに使われるから、面白いんだろうなぁ。


○玉村豊男 「100本のボルドーワインのための100皿の料理」 (角川SSコミニュケーションズ) 

 ちょっと予想外な一冊でした。あまりにも専門的なちゃんとしたレストランで出されるようなお料理だったので、美味しそうに見えないんですよ(苦笑)これは、もっとハイソな暮らしをなさっているマダム用の料理本でした。

○堀 賢一 「ワインの個性」 (SoftBank Creative)

 ぱっと第一章の「三つのバローロ」という題名を見て借りようと思ったんですが、家に帰って読み始めたら「ふたつのピースポーター」で泣けてきてしょうがなかったです。かねがね、あれほど由緒在る素晴らしいワインを生み出してきたドイツワインが、近年何故人気も味も落ち込んでしまったのか?という疑問の答えが書いてありました。

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P27より引用

 世界の消費者は、ピースポート村の急斜面のストレート土壌の単一畑「ゴルトトレプヒェン」の高貴なリースリングのみから、1ヘクタールあたり45ヘクトリットルという低収量でつくられたピースポーター・ゴルトトレプヒェンQbaよりも、平坦な粘土質の土地に植えられた、多産で個性の薄いミュラー・トゥルガウから、1ヘクタール130ヘクトリットルという異常な高収量でつくられた「ブレンド・ワイン」のピースポーター・ミヒェルスベルク・シュペトレーゼの方が高品質である、と誤解してしまうようになりました。

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「原産地呼称の改革」についての詳しいお話は是非本書を読んで頂きたいのですが、日本でも聞き覚えの在るお話じゃありませんか。野菜、ウナギ、お米、カモ肉etc.最近ひっきりなしに報道されている問題は、世界中で愚かな消費者を生み出しているんですよ。収益を上げる為に知名度の在る名前を使い、結果としてその価値を崩してしまっているんです。

ど素人のワイン好きの心に、あのドイツワインの清冽でまろやかな味は今でも残っています。願わくば、いまいちどあの味に出会えるよう、生産組織の意識改革や販売企業の方針転換があるのを祈っています。

コメント (2)
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