訳あって、電気釜が新しくなった。安いお米でもご飯がとてもおいしく炊きあがる。お米の粒も、つやつや。実にリッチな気分だ。
この電気釜はしゃべる。
うちの家電でしゃべってくれるのはプリンタ(家電か?)だけだから、免疫がなく、最初に話しかけられたときにはビックリした。しかも、何を言っているのかわからなかった。
彼女が話しかけてくれたのは、ご飯が炊きあがったときだった。
「ご飯が炊きあがりました。○○してください」
一体、何をしろと言われたのだろう……。タイミング的には、ご飯を混ぜろ、と言っているように思うのだが、音が違っていた。「混ぜてください」ではなかった。でも、それからというもの、ちょうどご飯が炊きあがった頃に、彼女のそばにいることができなかったので、謎は謎のままだった。
それが今、炊きあがったのであります。
彼女はこう言っていた。
「ご飯が炊きあがりました。ほぐしてください」
あっ、そう、ほぐすのね、ハイ、ほぐさせていただきます……。
ゴーシュの声がざらざらしていたので、ショウガのスープを作ってみた。葱と白菜とエノキもいれて。片栗粉でとろみまでつけた力作だ。まぁ、クックパッドから拝借しただけだけど。
で、うれしそうに食卓に出したら、すごい顔をされた。
「邪悪な味がする」
邪悪って……。邪悪な味ってなにさ。




