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「長野でのんびり翻訳生活」の野望

翻訳とか原書を読む会とか

自分プロデュース

2007-11-30 07:16:54 | 翻訳のこと

最近、「自分をプロデュースする」というお題を頂戴し、いろいろ考えている。なかなかどうして、自分のこととなるとどうもうまくいかない。

昨日も自分プロデュースを考えながらガソリンスタンドで給油していると、背後から男性の大きな声が聞こえてきた。

「何やってんだよ!」

えっ、わたしが何か????? 間違えて軽油でも入れちゃいましたでしょうか???

「どうしちゃったんだよ、そんなこと言いだしてさ。……」

どうやら携帯で話しているらしい。トンマなことを言い出した部下に向かって、中堅サラリーマンが檄を飛ばしている、というところか。

「……自信持てよ。なんでそんな自信がないんだ? 」

盗み聞きするつもりはさらさらなかったが、せっかく耳に飛び込んできたんだもの、自分に言ってくれていると考えてみようか。

そうだわなぁ、自信を持てないようじゃ自分プロデュースは無理だろうな。ただね、自信を持てって言われても、ねぇ。根拠のない自信ほど恐ろしいものはないような気がする。


わたしのカシミア

2007-11-28 06:01:31 | 翻訳のこと

くぅぅぅ~、すっかり気が緩んだのか、風邪をひいたらしい。わたしは「喉から」の人。昨晩、白板の前で声を張り上げていくうちに、どんどん声が出なくなってきた。「先生、風邪ですか?」と聞かれてしまうし。はい、ゾクゾクします。あぁぁ、情けない。木曜日は授業参観で学校に行かなければならないというのに。金曜日には美声で聴衆を魅了しなければならない仕事があるというのに。月末までにカタをつけなければならない(なぜだか1行に30分かかる)仕事があるというのに。

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仕事柄、ビジネス系の自己啓発本で話題になっているものはチェックしようと心がけている。どういうものがビジネスピーポーに受け入れられているのか、トーンはどうか、リズムはどうか、そんなことを気にしながらページをめくる。取り入れるべき点があったら取り入れよう、くらいの軽い気持ちだ。

購入する書籍は原書+訳本(必ずベア)で、和書には手が回らない。それで、図書館にリクエストを出して買ってもらうという策に出ている。話題の本なら1カ月もしないうちに届くので、ありがたい。

前島太一著の『日本一メルセデス・ベンツを売る男』(グラフ社)もそんな一冊だった。わかりやすいタイトルそのままの内容で、「吉田満」というメルセデス・ベンツのトップセールスマンのセールス方法を披露してくれる。モノを売る商売のはずなのだが、実のところ、売っていたのはサービスらしい。しかも極上のサービス。顧客がかゆいと思うだろうなと思うところを、かゆくなる前にかいてさしあげるサービス。ふ~ん、なるほど。

正直言って、モノを売る商売の本を読んで、翻訳業との共通点を見つけられるとは思っていなかった。けれど、以外にも腑に落ちる一文に出会った。

「カシミアの手ざわりを知らない人は、カシミアを売ることはできない」

インプットが大事なのはここだ。知らないものは書けないのだから。土台、いい文章とはどんなものかを知らなければ、凡人にいい文章など書けるわけがない。まっ、いい文章を知ったからといっていい文章が書けるわけではなく、そこからさらにヒーヒー言わなければ、書いて稼ぐことにつながらない。きっぱり。あの司馬さんだってヒーヒー言っていたらしい。凡人なら、ヒーヒーの10乗くらいであきらめていてはだめなんだろうな。

ヒーヒーを考えるとつらくなるので、とにかく自分のカシミアにたくさん出会うことを考えよう。インプット、インプット。本を読むのが仕事だなんて、翻訳業っていうのは実にステキな商売だ。


どこを見ればいいのか

2007-11-26 09:29:05 | 翻訳のこと

昨日はMウェーブ無料開放日。

滑れないくせに、腰痛のくせに、息子と一緒にスケート靴を履きに出かけた。なんてたって、オリンピックでスピードスケートの試合が行なわれた超一流の施設だ。そんな施設が無料で開放されるのだから、たとえスケート靴レンタル料を取られても、納税者として利用しない手はない。

リンクは一流、でも、滑り手はヨチヨチ歩き。「転倒=骨折」だから、どうしてもオッカナビックリでしか足を出せない。でも、不思議なことに、去年のリンクデビュー時よりは滑れるようになっている。体が覚えてるんだな。たぶん、30年くらい前、学校のスケート教室で箱根のスケートリンクに連れて行かれたときの記憶、いやいや、それよりもっと前、ドリームランドでスケートをしていたときの記憶が体に残っているんだろう。

白鳥のごとく滑り去っていく同じ世代の子連れお姉さんたちの姿に触発されて、自分もなんとかもちっとうまく滑れないのだろうか、と考える。片足に重心をかけて滑るのが格好いい。でも、真似しようと思っても、なかなかうまくいかない。怖いからなのか、尻が残る。そんなこんなで息子そっちのけで悪戦苦闘していると、後の方から声が聞こえてきた。

「○○ちゃ~ん、下を向いちゃダメよぉ~! 前を見なさい、前をっ!!!」

下じゃなくて、前。おっ、そうか。あらあら不思議、前を見て滑ると、なぜだか足がす~っと前に出る。へぇ。そんな簡単なことだったんだ。○○ちゃんのお母さんに感謝である。

そういえば、似たような言葉を土曜日にも聞いたっけ。

「アリの目になってはだめですよ」

足元(手元?)の一つの単語ばかりに気を取られていると、先に進めない。前を見て、先を見て、流れをつかまないと。あらららら、翻訳もスケートも同じだ。

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頭が相変わらずユ~ラン、ユ~ランしているけれど、ひょっとしたらスケートのせいなのかもしれない、と思い始めた。ちなみに筋肉痛とは無縁であります。ふふふ。


単調に見えるけれど実は単調じゃない

2007-11-25 20:07:18 | 翻訳のこと

昨日のあさま組勉強会でようやく一息。14日からとにかく長かった。一気に気が抜けたのか、頭がユラユラする。猪突猛進もいいけれど、一山越えるたびにダウンしていたのではお話にならない。重要なのはconsistency。プロなら、いつも同じ(できるかぎり高い)レベルの出力を維持できないとね。

そういえば、昨日の勉強会でも、話が出ていたっけ――本一冊訳すなら、訳文の緩急はほどほどに。単調に見えるくらいがちょうどいい。

生き方も同じなのかも。


誰のための建物なのか

2007-11-23 18:22:59 | 考えること

FIVBワールドカップ2007男子大会は第2ラウンドを迎えた。ブルガリアのカジースキー、あぁ、あのダビデのような見目麗しい姿とプリプリしたお尻を間近で見られる富山の方々がうらやましい。ちなみに、わたしはMr.ビーンを美形にしたニコルフも好きです。

ヨーグルトが神々しい食べ物のように感じられる。

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瞼の裏のカジースキーを想いながら、環境とシステム思考を考えるワークショップに参加するため、体は東京へ。「成長には限界がある」という意味を正しく理解することに悪戦苦闘する。

ありがたいことに、ここである種の「成長の限界」を体感するチャンスが訪れた。

場所は浅草。地下鉄を降りて地上に出ると、隅田川の向こうに奇抜なオブジェを乗せた漆黒の建物がある。川幅は狭いが、ここはロンドンのテムズ川南岸なのかと勘違いするほど、何やらエキセントリックな雰囲気が漂う。

目的地の漆黒ビルディングは中も洒落ていた。天井が高く、壁は黒。ワークショップ用のセッティングや照明も洗練されている。

空間がいかにソフィスティケートされているとはいえ、そこを利用するのはごく普通の人間だ。人間だもの、バスルームに行く。わたしも例外ではない。

バスルーム、便所、バスルーム、便所……トイレがどこにあるのかは、初めての場所でもたいてい見当がつく。本屋や図書館に行くと必ずもよおすタイプだもの、その辺の勘は鋭い。

はて、そのわたしの信頼できる勘によればこの辺りがバスルームのはずだが、どうやって入ればいいんだろう? おぉぉ、この一枚壁がドアだったのか、なるほど。よしよし、どうやらこの先がバスルームのようだ。でも、このドア、一体どこをどうすれば開くんだ? PULL? おいおい、日本なんだから日本語で書いてくれ。

ようやく目的地へ到着。ドアを開けた途端、タイルの白い色が目を刺す。まぶしいじゃないか。おおお~っと、危ない、まぶしいなんて言ってられないぞ。けつまずいてしまった。なぜこんなこところに段差があるんだ? なになに、段差があるから注意しろだと?!そんな壁紙を貼らなくちゃならないのなら、初めから段差を作らないでくれたまえ。

トットと用をたそう。う~む、どこが個室なのか。この黒い壁の向こうに違いあるまい。お~ぉ、やはりそうだ。これは壁ではなくドアなのだな。それにしても、個室の中の照明が暗い。暗いのが最近の流行なのか? 確かに明るすぎても気恥ずかしいが、暗すぎても困る。

さ~て、なんとか用もたせた。ささっ、手を洗いましょう。う~ん、さすがに洗面台もオブジェだ。オブジェ、なのはいいのだが、一体どうすりゃ水が出るんだ? 最近は、蛇口に手をかざすとセンサーが働いて自然に水が出るパターンが多い。う~ん、手をかざしても何もでない。ひねる栓もない。どうすりゃいいんだ。右、左、上、下、ぐるっと見回すと、足元にある何やら大きなボタンが目に入った。思わず踏みたくなる形だ。よ~し、踏んでみようじゃないか。おぉぉぉ~、出た出た、水が出た。水が出ることがこれほどうれしいとは。水を出すためには、まずこのボタンに気づかなければならない。万人が万人、このボタンの存在に気づいて、水が出る喜びを味わえるものなのだろうか……。

さてさて、無事に手もきれいになった。ちょっと紅でも引いてみようか、と思いたつ。でも、鏡がない。こういうお洒落なバスルームには、たいて壁一面に鏡が貼られているもの。個室の待ち時間に鏡にチラチラ目をやっては鏡の中の自分をチェックしたりする。でも、ここにはその姿見がない。鏡がないバスルーム? そんなはずはない。もう一度室内をよ~く見渡してみると、これまた何やら小さな円形のオブジェが立っている。へ~ぇ、これが鏡?! こりゃ銅鏡かい? 小顔の人しか使っちゃいけないってことかねぇ。

「お前の顔が大きすぎる」と非難されているように感じながら、バスルームを後にしようと一歩踏み出した。けれど、なぜだか突然視界が斜めになった。お~い、段だよ、段。よろけてしまったじゃないの。一体誰がここに段を作ったんだい? 一体誰のための段なんだい?

このバスルームに「成長の限界」を見た。ここのバスルーム、試された方いらっしゃいますか?