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「長野でのんびり翻訳生活」の野望

翻訳とか原書を読む会とか

これもTipping Point?

2007-10-30 06:18:02 | 翻訳のこと

困った。パソコンが動かない。もとい、パソコンは動くのだが、モニターに信号が届いていない。モニターの電源はしっかり入っているので、モニターがだめになったわけではなく、働くのを嫌がっているだけのようだ。うむうむ。そういえば、最近、本体の電源を落としても、ディスプレイの電源が自動的に落ちなくなっていた。それが、嫌よ、嫌よの兆候だったのか。もう少し様子を見てから、は命取り。「加速度的な成長」はここにもあった。

しかし、困った。受注したばかりの仕事を本体から取り出せない。う~ん、困った。


「You'd be so nice to come home to」の「to」

2007-10-28 15:50:44 | 言の葉

最後のtoがそもそもの発端だった「You'd be so nice to come home to話。思いのほか盛り上がった。

わたしたち(「たち」にしてしまい失礼、「Angela's Ashes」チームの皆さん)が目指したのは、come homeするのは誰で、誰のところにcome homeするのかを文法的に理解すること。『帰ってくれたら嬉しいわ』が誤訳タイトルであることは、よくわかった。「come home するのはボクで、家で待っているのは君」、君の味噌汁を飲みたいなぁ、という甘いささやきだというのは周知の事実だとしても、toの後にくるべき目的語がなぜ主語の位置にあるのか。そんなのありえな~い、なぜこうなるのか、誰かきちんと説明して~、と叫びたい。

ネイティブに聞けば、「come home toでないとおかしい。土台、この場合、to come homeはありえないし。それにねぇ、君が何をそんなにわからないのかがよくわかんないよ」とバッサリ切って捨てられる。確かにこういう文章はよくある。不思議なもので、文法的な裏付けがなくても、前後の文脈からどういうことを言わんとしているのか想像できる場合が多い。試験問題のように単文だけだされると、きっと混乱するに違いあるまい。

Oxfordの文法書の不定詞の項目に的確な説明があることをオザワさんが見つけてくれた。実にありがたい。形容詞には、不定詞を伴った文章の場合、節の主語が不定詞の目的語になる構文となるものがあるという。easydifficultimpossiblegoodreadyがその例で、enoughtooのあとにくる形容詞も含まれるらしい。タイトルからしてすごい。「subject of clause = object of infinitive」。なるほど、節の主語は不定詞の目的語と同じ。しかも、解説には、前置詞が文の最後にくる場合もあるとわざわざ書かれている。例文は「She's nice to talk to. He's very easy to get on with. It's not a bad place to live in.」。そうそう、それそれ。そのルールこそ、黄門様の印籠。ははぁ~、そうでありましたかぁ~、とひれ伏そう。

ちなみに、『英文法解説』には形容詞の項目に説明あった。S+be+形容詞+to ~の第4型。P.100101にかけてじっくり解説されている。例文は、She is really pleasant to talk to.(彼女は話相手にすると実に楽しい)(=It is really pleasant to talk to her.)など。文の主語は人間でも物でもよいとし、形容詞にはcomfortable, convenient, dangerous, difficult, easy, exciting, hard, impossible, interesting, nice, pleasant safeと難易や快不快を表す言葉が並ぶ。以下、P.101【解説】から引用。

この構文の特色はThis car is easy to drive.で代表されるように、文頭の主語(This car)が意味上は不定詞(to drive)の目的語になる点にある。したがって、Your question is impossible to answer.とは言えるが、Your team is impossible to win.<誤>はwinを「勝ち取る」という他動詞に解さない限り、文として成立しない。これに対して、次の文はdefeatが他動詞だから正しい文である。Your team is impossible to defeat.(君のチームは負かしようがない)次の文も「話し始めたら止まらない」ではなく、「止められない」である。

If he starts talking, he's hard to stop.

これで、You'd be so nice to come home to.の意味もすっきり明快だ。

ちなみに、高校生に「君たちはこの川で泳ぐのは危険です」を英訳させると、何人かは「You are dangerous to swim in this river.」と間違えるそうな。え~っと、これは明らかにひっかけ問題ですよねぇ。少なくとも、「君たちがこの川で泳ぐのは危険です」にしてあげないと……。


良いお目々

2007-10-27 07:24:52 | 翻訳のこと

ようやく見つけた。しかも、毎日歩いている道。何気なく、ぼんやりと脇を見たら、麗しい色の小さな実が目に入った。あなたはこんなにもすぐそばにいたのね。

なぜ気づかなかったんだろう。良いお目々で見ていなかったからだろうか。見つけられたんだもの、良いお目々になったということにしよう。

良いお目々は翻訳のときにも必要だ。言葉を選ぼうと頭の中をガサゴソガサゴソかき回しても、頭の引き出しにはあまり言葉が入っていないのであまり効果がない。でも、ちょっと時間を置いて、別のお目々で別の方向から原文を眺めてみると、自分の持ち駒を使っても十分に表現できることに気づく(場合もある)。

お目々はいくつも持っているといいらしい。

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物がよくなくなる。もとい、ここにあるはずなのに、ないっ!ということがよくある。賢いわたしはそういうとき、「探し物はなんですかぁ~」と歌いながら、無理やり探すのをやめようとする。でも、やめようとしただけではダメで、本当に探すことをやめない限り探し物は出てこない。本当に探すのをやめて、違うことをし始めると、キーボードの脇にあるそれに気づいたりする。

最近、「多次元」という言葉を覚えたので、きっとこの子は今まで多次元の世界に行っていたんだわ、探すことをやめたから戻ってきてくれたのね、お帰りなさい、と思うことにしている。キーボードの脇にあるのが見えなかったのが本当に事実だとしたら(まっ、事実なんだけど)、MRI撮影で特に頭を中心的に検査してもらわなければならなくなる。そうなると、お金も時間もかかるし、何よりもショックだし。ここは一つ、現実逃避ということで、多次元の世界を作ることにする。

一体いくつ良いお目々を持っていればいいんだろう。


昨日と違う今日

2007-10-24 16:45:14 | 考えること

今朝、登校の準備が整った息子が一足先に表へ出た。玄関のドアを開けるなり、

「ママ~っ、ママ~っ!」

朝の6時半、おいおい、「何が起きたんだ」とご近所さんに思われるじゃないか。おおかたカベチョロでも出たんだろう。「どうしたのぉ~」と気のない返事をすると、おもしろい返事が返ってきた。

「ママ、雪の匂いがするよ」

へっ?! 庭の木にはまだ葉っぱが、しかも緑の葉っぱがついているというのに、君の鼻はもう雪の匂いを感じたのかい? いくらなんでも早過ぎないかい?

でも、確かに秋が駆け足で過ぎ去ろうとしている。空気の匂いが変わったのは間違いない。空高く何層にも重なった雲の中では、雪が降っているのだろうか。


宣戦布告?

2007-10-23 09:08:44 | 翻訳のこと

「フィリップ・シーモア・ホフマン」は、ミステリー、ホラー、SF系の翻訳物に造詣が深い。コメントは極めて辛口で、あの小説はいかがなものか、何が書いてあるのかさっぱりわからない箇所がある、と切り捨てる。そして、エラリー・クイーンの日本における認知度の低さにも疑問を呈していた。原因は翻訳にあるのではないか――それが彼の仮説である。

「ねぇ、君。君はミステリー、ミステリーと言っているが、それならば、エラリー・クイーンの新訳を出してみたまえ」

……。

翻訳修行に入ったことを認めてくれたという意思表示なのか、はたまた、エラリー・クイーンを訳せるようになるまでは認めないという意思表示なのか、そこが問題だ。