「否定+否定=肯定」。単なる肯定よりは奥歯にものが挟まったようなといえばいいのか、もったいぶった言い方といえばいいのか、慇懃な表現と言えばいいのか、ええ~ぃ、そうなのか、そうじゃないのか、はっきりしろよ、的な感じがしないでもない。
でも、『英文法解説』には、「否定が2つ重なっても否定の意味になる二重否定(Double Negation)があり」(P.164)と書かれている。本来、語学での二重否定というのは、そういうことを指すそうだ。ふへ。例文は、「He couldn’t find it nowhere.」。つまり、見つけられなかったという意味。ややこしい。コンテクストや誰のせりふなのかによって、解釈を変えなければならないということだ。
で、問題のせりふは、Carolineのもの。執事はいないものの、ハウスメイドは雇っているお宅のお姉さまだ。親の遺産でのんびりと暮している。上記の「否定の意味になる二重否定」を使うタイプの人とは思えない。
原文紹介。見つかった結婚指輪について、CarolineがJamesに自説を披露するところだ。
‘Mark my words,’ she said suddenly, ‘I shouldn’t be at all surprised if Geoffrey Raymond and Flora weren’t married.’
‘Surely it would be “From G.,” not “From R.” then,’ I suggested.
‘You never know. Some girls call men by their surnames. And you heard what Miss Gannett said this evening --- about Flora’s carryings on.’ (P.245)
問題は、
I shouldn’t be at all surprised if Geoffrey Raymond and Flora weren’t married.
FloraはPatonと婚約している。なので、「RaymondとFloraが結婚していなくても、ちっとも驚かない」はヘン。当然のことだから、驚く人がいるはずもなく、わざわざ言及する価値もない。だから、話の流れとしては、「RaymondとFloraが結婚しているとしても、全く驚かない」つまり、if以下が肯定文になってくれないと、困る。とても困る。既訳もそのように解釈していた。
はて、この「二重否定」はどう解釈すればいいのか。
それで、『英文法解説』をもう少し見てみた。書き込みがあるので、きっと何度もチェックしているページ何だろうなぁ。全く記憶にないけれど。
果たして、探し物が見つかった。
「同様に非合理的なnotが、驚きや疑いを表す一定の口語表現で使われることがある」(P.164)
例文は、I shouldn’t be surprised if it didn’t rain (= rained). (ひと雨あって当然だろう)
さすが『英文法解説』。(ちょっと読みづらいのはご愛きょう)
さぁ、皆さん、ご一緒にポチっとな。

英文法解説
価格:¥ 1,785(税込)
発売日:1991-06
で、結局、すべてはコンテクスト次第、っていうこと?


