昨日はフルコースだった。
原書を読む会→小学校(授業参観・中学入学願書関係・PTA)→プライベートレッスン(ちなみに生徒役)→塾お迎え(15分、時間を間違えてしまった)→レイトショー(なんと『インディー・ジョーンズ』さ。軍隊ありに食べられる夢を見なくてよかった……)
引きこもりの身ゆえ、一日中外に出ていると結構つらい。朝、5時前に起きられたのは奇跡だと思う。
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小説を読んでいると、何でこれがあるんだろう、と不思議に思う文章に出会う。そういう場合は、たいてい意味そのものや、言葉のおもしろさが理解できていない。昨日の『アンジェラの灰』でも、そんなちょっとした、でも、ふふふ、と笑ってしまうような見逃せない1文に出会った。
郵便局の電報配達係としてアルバイトで働くようになったフランキー。職場の年季の入ったおばさんが、これはしちゃいけない、あれはしちゃいけないと講釈をたれている。
Mrs. O'Connell and Miss Barry at the post office tell us everyday our job is to deliver telegrams and nothing else. We are not to be ding things for people, going to shop for groceries or any other kind of message. They don't care if people are dying in the bed. They don't care if people are legless, lunatic or crawling on the floor. We are to deliver the telegram and that's all. Mrs. O'Connell says, I know everything ye do, everything, for the people of Limerick have their eye on ye and there are reports which I have here in my drawers.
A fine place to keep reports, says Toby Mackey under his breath.(P.316)
配達しに行った先で、人が死にかけていても気にしちゃいけないらしい。電報を配達するのが仕事だから。こういうエピソードがテンコ盛りなので、結構気が滅入るが、最後のセンテンスで、おやっ、と思った。
「A fine place to keep reports」はトビーが(たぶん)「ちっ」と舌打ちしながら、ぼそぼそ呟いたセリフだ。「ふん、そりゃぁ、いい保管場所だよなぁ」→「そんなところに置いてりゃ、誰も見られやしない」→「本当に報告書なんてあるのかよ」という流れかな、と考える。
でも、それではおもしろくない。この本がいいのは、極端に悲しくなるような話でも、カラッと書かれているところ。「ふん、そりゃぁ、いい保管場所だよなぁ」では、わざわざこの1文が書かれた意味がない。
そんなかんなでモタモタしていると、「drawerがダブルミーニングなのでは?」と参加者からの天の一声が。「drawerは、確かに引き出しという意味もあるけれど、昔でいえば、ズロースという意味もあるから、それにひっかけているのではないかしら?」
ほぉぉぉ~、マダムの口から「ズロース」などという言葉が出てくると、乙女のわたしとしては赤面してしまうが、うむむむ、きっとそうに違いない、絶対間違いない。「パンツの中に隠せば、そりゃぁ、誰も見られないわなぁ」
さてさて、では土屋さんの訳はどうなっているのか。
リムリックの人々があなたたちのやることを見ていて、報告をくれます。あっちこっちから寄せられた報告が、私のこのブリーフケースに詰まっています。
ブリーフじゃなくてズロースだろう、とトビー・マッケイがつぶやく。(下巻 P.278)
わたしが山田君なら座布団10枚。あなたならどう訳す?

