作品紹介・あらすじ
あ、また時間に捕まえられる、と思った。捕まえられるままに、しておいた。小説家のわたし、離婚と手術を経たアン、そして作詞家のカズ。カリフォルニアのアパートメンツで子ども時代を過ごした友人たちは、半世紀ほどの後、東京で再会した。積み重なった時間、経験、恋の思い出。それぞれの人生が、あらたに交わり、移ろっていく。じわり、たゆたうように心に届く大人の愛の物語。
読書備忘録
前半、商社勤務のカズの家はパーティーにに招かれなかった。ふーんと退屈だったけれど、きっと何か始まるんだろうな?と読んでいた。
大人になってからは面白かった。三人の会、三つの願い
以前行ったすし屋に予約なしで行った所、すし屋は店じまいしていた。その時にカズの事好きなのかな?と自分に訊ねたってところの、自分の中で、その問いが小さく響く。がらんどうの部屋の中で、覚束なく団扇太鼓を鳴らしているような音で。答えはなく、ただぺなぺなした太鼓の音がてん、てん、と鳴っているばかりだった。ここ好き。
カズが持っていた翡翠の蝉・・・含蝉
誰がいったいカズに預けたのだろ?それはカズの母親から自分が死んだら口に含ませてみてよ。って頼まれたものだった。魂が抜けるのを防ぐため口に含ませる葬具だった。妙に食いついて、そういえば台湾の國立故宮博物院でみた白菜を思っていた。売店で白菜買って来ればよかった!と、今更・・・
「青梅雨」読んでみよう。
と書いていましたが、読んだのは後でも先にupしています。
★★★★☆