マイスペース

半径1m以内の出来事を独りごちております。

バイトの面接に出かけたときの話

2012年02月22日 | 半径1mの話
本日は、バイトの面接日でした。
平日の中途半端な時間の電車は、空席だらけでございました。
どこでも座りたい放題だと言うのに、
離れたところから一人の若い男性が歩いて来て、私のどまん前の席に腰掛けました。
その男性、身なりは普通のビジネスマンなのですが
顔が、阿部サダヲさんに似ており、それだけでも笑えるのに
髪型が、まことちゃんカットになっていました。
おまけに、そのまことちゃんカットの前髪だけを極端に薄くすいていて
前髪が5ミリ間隔のボーダー模様になっていたのでございます。

風貌だけで笑わせる男の出現に
オカシイ場面を見せられても絶対に笑ってはいけないという
ダウンタウンの番組のように、こみ上げる笑いをこらえるのに必死でございました。
見ないようにしようと思って車内のポスターなどに目をやっているふりをしておったのですが
否が応でも、サダヲの動作が視界に入ってきます。

サダヲは、ビジネスバッグの中からスーパーの袋を取り出しました。
その中には、薬の袋がいくつも入っているようで
ガサゴソ音を立てながら、ひとつ袋を出してはシートから錠剤を取り出し
お茶で流し込むという作業を繰り返していました。

ちょうど私がチラ見したときに、サダヲが手にしていた薬のシートは
プルゼニドという下剤でした。
通常寝る前に飲む薬ですが、よっぽどの事情があるのやもしれません。
しかしながら、若い男性が下剤を昼間っから飲むとは
どんな事情なのでございましょう。
もしや、これから大腸検査でもやるのでしょうか。
少々、興味を引かれて、お次は何を飲むんじゃろ・・と思って
さりげなく観察することにいたしました。

お次に飲んだ薬は、銘柄までは分かりませんでしたが、
薬袋には、マジックで大きくネル前と書いてあります。

サダヲのヤツ、もしかして電車の中で眠ろうとして
寝る前用の薬を飲んでおるのかいな・・・アホやなと思っておりましたらば
さっき仕舞ったばかりの下剤のシートを取り出して2錠追加したようでした。


服薬の儀が終わったサダヲは、鞄の中から何やら取り出そうとした拍子に
手にしていたお茶のキャップを床に落としてしまったようで
ボーダーの前髪を揺らしながら、床下を捜索していましたが
キャップは見つからずでございまして
何を思ったか、またもや、薬袋を取り出して、昼と書かれた薬を飲んでおりました。

おそらく、キャップ紛失により
昼用の薬を飲むためのお茶をとっておくことができなくなったためだと推察いたします。

サダヲが取り出したかったものは、iPadの類だったようです。
いや、サダヲが下を向いている隙にこっそり観察しましたらば
iPadにしては、分厚過ぎます。
ブラウン管でも入っているんかいっ、と突っ込みを入れたくなるほどの分厚さです。
何を見ているのかわかりませんが、途端にサダヲはニタニタ笑いだしました。
(笑いたいのはこっちです。)
大昔のプレイヤーに夢中になっている隙に、足元に目をやりますと
片方の靴だけ、べロを折りたたんだように隠してあり
それでいて紐だけが律儀に結んでありました。

髪型といい、下剤といい、いったいぜんたいこの男は何なんだ!

もしかして、サダヲはバイトの面接官で
私がどんな奇人変人を見ても動じないかどうかのテストをしているのか!?

・・・な~んてね。

ほんまもんのバイトの面接は、とても真面目に行われました。
(そりゃそうだ