そもそも萩生田光一官房副長官による、野党の国会対応は「田舎のプロレス」との発言は、予定調和の生ぬるい「田舎プロレス」ではなく、「ガチンコ」をやろうという意図ではなかったか。これは正論であり、撤回無用だった。

 萩生田氏は23日、環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)承認案などの衆院採決に反発した民進党などの対応について、「強行採決なんて世の中にありえない。審議が終わって採決をするのを強行的に邪魔をしていく人がいるだけだ」と指摘したうえで、「田舎のプロレスといえばプロレスの人に怒られるが、ここでロープに投げたら帰ってきて、空手チョップで1回倒れて、そういうやりとりの中でやっている。私はある意味、茶番だと思う。もうそろそろ、こういう政治のあり方は変えるべきだと思っている」と話した。「こういう政治は変えるべきだ」との発言に大いに賛同する。

 これに対し民進党の山井和則国対委員長は24日、「国会審議に対する侮辱だ」と述べ、「田舎のプロレス」との表現には「私もファンの一人だが、プロレスにも田舎に対しても失礼だ」と問題視し、「都会のプロレスだったらいいのか。田舎蔑視ではないか」と批判した。これは論点がズレている。

 さらにプロレス団体のコミッショナーも務める民進党の榛葉賀津也参院国対委員長は「格調高きプロレスをバカにした萩生田君は絶対許さない。国会も侮辱したから、それも許さない」と怒りをあらわにした。蓮舫代表も24日の参院特別委で「田舎のプロレス、茶番、国会審議はこのレベルで、野党は邪魔な存在なのですか、と聞いているのです」と詰問した。

 こうした流れを受けて、萩生田氏は24日の衆院議院運営委員会理事会で、あっさり発言を撤回し謝罪してしまった。野党4党が謝罪要求の方針で一致したため、審議への影響などを懸念し早期収拾を図った形だという。萩生田氏は「不適切な部分があったという反省をして撤回と謝罪をした。国会審議に影響を与えたとすれば不徳の致すところだ」と話したが、「政治を変える」という高邁な志はどこへ行ったのか、早々にリングを降りたのは残念だ。

 話は替わって、蓮舫代表は同日、日本国籍と台湾籍のいわゆる「二重国籍」問題で、日本国籍の選択を証明するため戸籍謄本を公開について「考えは変わっていない」と述べ、公開しない考えを改めて示した。「攻撃型」の蓮舫さんだが、この問題については「逃げ」ばかりのようだ。(WEB編集チーム 黒沢通)


いいねぇ。スカッとするねぇ。