いよいよ4月1日から「電力自由化」がスタートする。200社もの電力会社から、自分の「ベストプラン」を探すのは大変だと思う人も多いだろう。

「自由化で約200社が電気事業者として登録していますが、このうち一般家庭向けに電気を売るのは30社程度。ただし、1社でいくつものプランを出しているので、今のところ150プランほどあります。どのプランを選んだらいいのかわからない、という人もいると思いますが、まずは今、電気をどのくらい使っているのか、使用電力量を把握することから始めましょう」

 こうアドバイスするのは、電力比較サイト「エネチェンジ」副社長の巻口守男さん。価格の安さばかりにとらわれていると、大事なことを見落とすことも。次からのQ&Aで注意点をしっかりと押さえておこう。

Q1:電力会社を切り替えるときは、何が必要?

 新たな電力会社への手続きは簡単。利用者は新電力の事業者へ申し込むだけで現在の電力会社の解約手続きは不要。その際、検針票の上に書かれている「地点番号」と「お客さま番号」が必要となる。「地点番号」は今年1月からの検針票に記載されている。

 また、検針票は自分がどれくらい電気を使っているのか、使用電力量と料金を把握するのに必要となる。

 ちなみに電気代は、東京電力の場合、基本料金と使用電力量で決まる。使用電力量は、120kWhまでが1段料金(19.43円)、300kWhまでが2段料金(25.91円)、301kWh以上は3段料金(29.93円)と、3段階に設定されている。

「乗り換えるとメリットが大きいのは301kWh以上使う『3段料金』の人ですが、2段料金以下の人でもお得になるプランはあります」(巻口さん)

 一律5%オフのプランや、ガソリン代やプロバイダー料金などがセットで割引になるプランもあるので、探してみよう。

「途中解約で違約金が発生するプランもあるので、違約金が発生するのかどうかもあわせて確認しましょう」(同)

Q2:お得な「セット割」はどうやって探すの?

 ひとつずつ会社のHPを調べるのは手間がかかるので、手軽に検索できる「電力比較サイト」を利用しよう。例えば、「エネチェンジ」(https://enechange.jp/)のトップ画面から、郵便番号、使用電力量、電気の使用状況などを入力すると、現時点で選べる電力会社のプランが提示される。プランは、「ガスとのセットで電気代割引」「インターネット料金割引」などと、使えるセット割がわかる仕組みになっているので参考にしたい。

「ガソリンをよく使う家庭であれば、ガソリン代が安くなる『セット割』もあります。ご自身のライフスタイルに合わせて検討しましょう」(同)

 ほかにも、携帯電話会社の系列の電力会社に加入すると、携帯料金が安くなるなどのプランも。

Q3:地方の電力会社に申し込みはできる?

 地域密着のユニークなプランが登場している。例えば、中国電力ではポイント制で、プロ野球の広島東洋カープのグッズがもらえるプランがあるが、中国電力の供給エリア外に住む人は契約できない。

 春は異動の季節。引っ越し先に、加入していた事業者がない場合は、ほかの事業者と新たに契約することになるが、その際、違約金などが発生することはない。

週刊朝日  2016年3月18日号より抜粋


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